神保町花月「マシュマロのキオク」

@神保町花月 19:00 C2

御茶班千秋楽。ストーリー覚書。

横たわっている女性。駆け寄ってくる学ランの男子生徒。女性が紙を生徒に渡し、立ち去らせる。ドサッという鈍い音。

誠(椎橋)、和哉(畑中)、小百合(松田)、譲治(村上)は帝都高校の生徒。演劇部の練習をしていた。演出は彼らの先輩である高宮(中村)が担当しているが、後輩たちに厳しい。
全国高校演劇甲子園まであと15日。高宮の時代に50校中48位だったので、今年こそは優勝を狙う部員たち。
脚本を担当している誠は、「パステルレンジャー」というヒーローが怪人をボッコボコにするストーリーを書いてきた。しかし部員たちは共感できないと言う。和哉が心配するが、自分ひとりの力で脚本を書くと帰ってしまう誠。

嶋(江崎)が誰もいない演劇部の部室へ入ってくる。演劇部の顧問に就任した嶋は、西木校長(しん)に自分が帝都高校演劇部出身だと言わないようにと頼む。校長は、ユウコ先生の一人息子の誠がいるから頑張りなさいと言う。あの悲しい出来事は忘れなさい。いいですね?

居酒屋の女将のみゆき(三代目姐)が、治夫(佐藤)を支えながら入ってくる。治夫はひどく酔っ払っており、誠はどこだ!と叫んでいる。
治夫は居酒屋で意気投合した赤井(野田)と椎名(千葉)を家に呼んでいた。椎名は赤井がジャーナリストであることを見抜いていた。椎名自身はその日暮らしだと言う。
治夫は亡くなった妻の仏壇にマシュマロを供える。ユウコという名前を聞き、顔色が変わる赤井。浅川治夫さんと言いましたよね?奥さんが亡くなったのはいつですか?ちょうど10年前の3月14日だと嘆く治夫。考え込む赤井。
そこへ誠が帰ってくる。俺の息子だと紹介する治夫に怒鳴る誠。毎日仕事もせずに酒ばかり飲んでいる。

部員たちに嶋を紹介する校長。
中学からの誠の友人である和哉は、誠の父が仕事もせず酒ばかり飲んでいること、母親が早くに亡くなっていること、なんでも自分ひとりで抱え込もうとすることを明かす。
嶋は演劇部の部室に誠を呼び出し、良い脚本が書けるようになる手作りの本を渡す。脚本のコツ、そして「マシュマロのキオク」という脚本も書かれていた。おまえの思うヒーローってなんだ?カッコイイってどういうことだ?お客さんの目線になって作るんだ。
誠は本の最後に書かれていた、浅川ユウコという名前に気がつく。母さん…?ユウコ先生は不良たちを演劇で更生させた凄腕の先生だったと語る嶋。俺はペンフレンドクラブだったけどな!とごまかす。

そこへ赤井が入ってくる。校長には演劇部の取材だと言っているが、帝都高校の学生時代に不良だった嶋が自分をいじめていたことで脅す。ユウコ先生、亡くなったんですってね?10年前の3月14日って確か…、止めろ!嶋が叫んで遮り、部室を出ていく。
手伝えと言われて来たという椎名も入ってくる。やらせじゃないですか?
テレビは作るものだ。「ザ・ナチュラル」という有名なドキュメンタリー番組にこの映像を持ち込む。きっとディレクターも気に入るはずだ。

嶋の渡した本のおかげで、ヒーローが怪人を救う脚本を書いた誠。今まで冷たかった高宮も、部員たちの評判も上々。
小道具をみんなで用意することに。誠の製作途中の剣を完成させるため、部費を渡す。

みゆきに語りかける治夫。俺がパン屋を始めた頃のこと覚えてるか?俺はユウコと一緒に居たかっただけなんだ。一緒にパンを焼いて一緒に接客して。でもユウコは学校を辞めなかった。ユウコは演劇に殺されたんだ。

治夫に小道具を箱ごと捨てられ、部費も使われてしまった誠。母さんが死んだのはあいつのせいだ!
みゆきの発言で、自分の母親が自殺したことを知ってしまう誠。学校の校舎の柵を越えた場所に倒れていて、服の中には直筆の遺書が入っていた。しかしみゆきは自殺だとは思っていない。ユウコと仲が良かったみゆきは、亡くなる直前まで温泉旅行の計画を立てて宿まで予約していた。
仏壇の下にある遺書を見る誠。「私は鳥になりたい」意味がわからないよ…。

母親のことで悩む誠。
赤井が演劇部の取材だと練習風景の撮影にやってくる。カメラマンは椎名、音声は治夫。練習を邪魔する治夫に誠はキレる。母さんの夢も奪って、俺の夢まで奪うのかよ!そんなことも気付かないのかよ!
ユウコを心配する治夫の声。気付いてやれば良かった…。絶叫し走り去る治夫。
小道具を探していた小百合が、倉庫から昔の台本を持ってくる。自殺をテーマにした「マシュマロのキオク」という台本の間には、小道具予備と書かれた封筒が。中には遺書が入っていた。「私は鳥になりたい」という文章に、部室を出ていく誠。追いかける赤井。

仏壇の下の遺書と見比べて、まったく一緒だと気付く誠。赤井が入ってくる。僕ね、帝都高校の生徒だったんですよ。ユウコ先生を突き落とした不良生徒、誰だと思います?嶋ですよ。ユウコ先生も手を焼いていたから。
誠と赤井の会話を聞いてしまった治夫。本当か…?

演劇甲子園当日、誠がいなくなった。
部員たちを見送る嶋のもとへ、赤井がやってくる。10年前の3月14日、僕見ちゃったんですよ。ユウコ先生とあなたが一緒にいるところ。カメラを持った椎名が入ってくる。逃げ出す嶋。
赤井が椎名へ嶋を追うように命令するが、やらせが酷すぎると椎名は言うことを聞かない。持っていたカメラには何も映っていなかった。
赤井の後ろからもう1台のカメラを持った男が入ってくる。椎名が赤井に渡した名刺には、「ザ・ナチュラル」ディレクターという肩書きが。やらせを行う赤井を追っていたと言う。

和哉が誠を見つける。嶋をぶっ殺しに行くと言う誠に、ひとりで抱え込むな、仲間だろ!と怒る和哉。母さんを殺したのが嶋だと赤井から聞いた。和哉は最初から赤井を信用していなかった。調べてみたら、テレビ局で仕事を干されていた時期もあったらしい。
嶋をどうするかは、ちゃんと調べてからでいいだろ?ヒーローのいないヒーローモノに誰が共感すんだよ。行くぞ!

歩いている嶋に、突然殴りかかる治夫。ユウコの旦那だとわかり無抵抗になる嶋。通りかかった誠と和哉が止める。
椎名が赤井を連れてくる。俺は嶋がユウコ先生と一緒にいたのを見ただけだ。こいつにいじめられてたから、犯人に仕立て上げようとしたんだ。

10年前の演劇甲子園当日、登録証が風で飛ばされ、それを取ろうとしたユウコ先生が柵を越えて落ちてしまった。当時演劇部だった嶋が駆け寄り病院へ連れていこうとするが、登録証を持って会場に行きなさいと言われる。頭を打っていた先生は、2時間後に亡くなった。
治夫に土下座する嶋を病院へ連れて行く誠。俺は先生を助けたい。甲子園にも行く。それが俺の思うカッコイイヒーローだから。

ヒーローなんていない、そんなの絵空事だと泣き叫ぶ治夫に、小百合が倉庫から見つけたビデオを見せる。
ユウコが演劇甲子園前の練習風景とコメントを録画したものだった。お客さんの目線になって作るという治夫の言葉を演劇に応用してみたら、脚本担当の嶋が良い作品を書いてくれた。
1回くらい見に行けば良かった…と泣く治夫。
戻ってきた誠が、俺たちの甲子園見に来てくれよと手を差し出す。

たくさんの写真がスライドで流れる。
「マシュマロのキオク」の台本。「パステルレンジャー」の脚本を書く誠、エチュード箱を持つ嶋、演劇甲子園の賞状を受け取る高宮、薬指に指輪をした治夫の左手にはマシュマロが。
ユウコの仏壇に供えられた山盛りのマシュマロ。次の写真には、マシュマロの隣にクロワッサンが供えられていた。

2013年演劇甲子園当日。
脚本を書いている誠。校内放送では、購買部に浅川パンの新作が入ったことを知らせていた。
和哉が誠を急かす。2連覇、行きますか!

パステルレンジャーのBGMがライダーだったり、スライドが絶妙に舞台裏とキャラ設定が入っていたり、古い倉庫を開けたときのカビっぽい匂いまで漂ってきたり、巧妙な演出とストーリーに引きこまれた。
お客さんの目線になって~という一連のセリフが、治夫からユウコへ、ユウコから嶋へ、嶋から誠へと受け継がれていくのがいいよね。ヒーローなんていないとまで言っていた治夫の言葉が、回りまわって誠の考えるヒーローへと繋がった。
演劇甲子園優勝やパン屋再開をスライドだけで表現するなんてニクい演出。仏壇のクロワッサンを見て泣いたよ。

御茶もマヂラブもゆったり感もしんちゃんも、何度も神保町花月で見てる達者な人たち。そこにキャラの濃い16期生と愛らしい女優さんが入って、良いチームだった。とにかく千葉さんには驚かされた。千秋楽は何故か上半身裸になってたけど、良い身体という表現を通り越した肉体美。なんだあの彫刻のような身体は。どうなってるんだ。野田くんが半笑いで早く服を着てくださいと言っていた。
姐さんと佐藤さんの涙にやられた。そりゃつられて泣くよ。
お笑い担当、中村さんはハズさないね。ゆったり感のいる班はもれなく楽しい。
御茶としんちゃんは微熱から次の公演まで3連続。それだけ期待されてるってことだよね。

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