神保町花月「マイ・ソウル・パートナー」

@神保町花月 16:00 A7

ついに千秋楽。感動的なストーリーを覚書。

喪服を着て電話をしている女性(伊藤)。めぐるくん?用事ってわけじゃないんだけど…あたしね、ママを殺しちゃった。

吉田拓郎『結婚しようよ』 歌:やさしいズ ギター:松本

《1972年》
赤ちゃんの泣き声。笑顔で楽しそうに歌っていた青年たちは、振り向きながら走り去っていく。
なおみ(シューレスジョー)とシロウ(忍)は泣き続ける赤ちゃんをあやしている。なおみのママ(じろう)が赤ちゃんを抱くとすぐに泣き止んだ。
服屋のアルバイトをしているシロウを嫌うママ。今はまだ販売だけですが、ゆくゆくはデザインなんかも…。夢みたいなこと言わないで!なおみ、私はあなたに医者か弁護士と結婚して欲しかったのよ。男の優しさなんて何の役にも立たないの!

《1987年》
中学3年生のちあき(伊藤)と浩子(じろう)とチコ(小林)は、ちあきの家で宿題をやっている。キスに憧れる浩子とチコは、ちあきの家に下宿している大学生にキスしてもらおう!と言い出す。
慶応大生のヒロミ(寺内)、ゴロウ(佐伯)、ヒデキ(田井)がやってきて、可愛いチコをデートに誘う。みなさんとデートします!と満更でもないチコ。
そういう話は嫌い、と1人勉強しようとするちあき。そこへ東大生のケンスケ(近藤)が通りかかり、受験生の勉強を励ます。コーヒー飲む?と尋ねるケンスケに、ホットチョコレートがあるから大丈夫と答えるちあき。ココアでしょ?と浩子とチコ。厳密には違うけど、同じものと考えて大丈夫だと説明するケンスケ。うっとりした目でケンスケを見送るちあきに、あのお兄さんのこと好きなんでしょ?とからかう浩子とチコ。
ヘラヘラする拓海(中村)を怒るなおみ。部屋の掃除はしない、ケンスケの服を勝手に着たりと好き放題。
イライラしているなおみを笑う浩子。離婚して8年も経ってるから欲求不満なのよ。
ママ、なんでパパと離婚したの?あの人は優しかったんじゃない、なんにもできない意気地なしだったのよ。
2人が帰った直後、同じクラスのめぐる(忍)がちあきの家にやってくる。一緒に宿題やろうと浩子に言われて来たものの、騙されていためぐる。ちあきと一緒に宿題をやろうとすると、ケンスケが通りかかる。楽しそうな2人を見て帰っていくめぐる。
ちあきの得意教科は美術や家庭科。着ている服を自分で作ったと知り驚くケンスケ。ファッションデザイナーになれるよ。でもママは良い短大を出て良いところに就職して良い人と結婚するのが一番だって。ちーちゃんは良い子だね。でも夢を諦めることはないんじゃないかな。
拓海は一晩中歌うなとヒロミに怒られている。なおみは、あなたのお母さんからあなたのことを頼まれているから追い出せない、でも好き勝手していいわけじゃないと諭す。もう歌いませんから。
ケンスケはなおみにファッションショーのチケットを2枚渡した。ちーちゃんがファッションに興味あるみたいだから、本物見たら勉強になるかと思って。あの子がファッションに…チケットを見つめるなおみ。
浩子とチコは、めぐるが自分たちと同じ高校に行こうとしていると知り嫌がっている。ちあきの意見に左右されるめぐるの志望校。
図書館から帰ってきたケンスケは、なおみが本を読んでいるのを見つけて驚く。ファッションショーは?なおみは洗濯や食事の支度で忘れていたと謝る。行きたかった!と泣くちあき。
今は勉強が大事でしょ?良い短大を出て良いところに就職して良い人と結婚するのが一番幸せなの。あなたを思う私の気持ち、わかってくれるわよね?泣きながら出ていくちあき。
取り残されたなおみに、カセットテープを渡す拓海。下手な歌と、お誕生日おめでとうございますというメッセージが録音されていた。うちも母1人子1人なので、親の気持をもっと考えようと思います。拓海くん…。
めぐるが英単語を覚えていると、泣いているちあきとすれ違う。ファッションショーに行けなかったの…。

米米CLUB『君がいるだけで』 カラオケ:やさしいズ&寺内

《1992年》
カラオケバーで歌っているオカマ3人。全然歌わせてもらえないエクレア(寺内)、天然なババロア(田井)、強気なプリン(佐伯)は自分が支払うと揉めている。
バイト中のめぐるが3人のケンカを止めた。エクレアがめぐるに代金を渡す。あんた可愛いからサービスしてあげる。今度ウチに来なさいよ。去年裏通りに出来たオカマバーですか?プリンが嫌そうな顔をする。違うわよ、あっちはアニマルパラダイスでしょ。ウチはアニマルヘブンよ。あんなのと一緒にしないでちょうだい!
オカマたちと入れ替わりに、なおみとちあきがやってくる。怖がるなおみに、ママが行きたいって言ったんでしょ!と強引に引っ張ってくるちあき。
高校卒業後、1年7ヶ月振りに再会しためぐるとちあき。ちあきは短大2年で大手企業に就職が決まっていた。今日はそのお祝いで来たのだと言う。ママの思う通りの良い子に育ったと嬉しそうななおみ。バリバリ働くんだから!と宣言するちあき。
浩子とチコがやってくる。ここで合コンをやるらしい。浩子にちあきにベッタリだと指摘されたなおみは、あんたを見てると死んだママを思い出すのよ!と店を出ていってしまう。2人が化粧直しに行ってしまうと、ケンスケが店にやってきた。大学の後輩に誘われて合コンに来たようだ。しかし久しぶりに会ったちあきと2人で遊びに行こうと誘う。
ちあきがケンスケと店を出ようとすると、なおみが戻ってきた。浩子とチコも戻ってくる。ケンスケが合コンのメンバーだと知り喜ぶチコ。あたしお酒弱いんですぅ、潰れたら送ってくださいね!
結局、本当にケンスケに送ってもらったチコ。残されたちあきは、眠るなおみの横で座っている。そこへ拓海がやってきた。明日は朝から授業だというちあきを帰すめぐる。あとは俺たちに任せとけよ。
農業大学を卒業した拓海は、種を作る仕事をしている。就職して一度は下宿を出たものの、母親が死んで天涯孤独になり、再び下宿へと戻ってきた。実家暮らしのめぐるにはわからないだろうけど、誰かがそばにいるって、そう悪くないよ。
起き上がったなおみが拓海を見て驚く。なんでこんなとこにいるのよ!酔っぱらいを連れて帰るため。

竹内まりや『天使のため息』 歌:やさしいズ ギター:松本

《1999年》
クリスマスツリーの飾り付けをしているなおみと浩子。チコがケンスケさんと出来ちゃった結婚するなんてね。3月には2人目が生まれるらしいわよ。
寒空の下、誰かと電話しているちあき。なんで電話に出てくれないの?あたし2時間も待ってるんだよ。クリスマスイブは一緒に過ごそうって約束したじゃない!
ちあきが帰ってこないからと帰ってしまった浩子。寝ているなおみに毛布を掛けようとする拓海。なおみが起きたので、慌てて誤魔化す。
クリスマスはあの子が一番好きな日なの、と拓海に語るなおみ。あの子が9歳のとき、クリスマスプレゼントは私があげてるんだって知って1日中口聞いてくれなかったの。でもサンタさんじゃなくてママにありがとうって言うね、って言ってくれたの。主人が毎年1色ずつ花をプレゼントしてくれてたのよ。7年目で終わっちゃったけど。帰りの遅いちあきを迎えに行くなおみ。
泣いているちあきと遭遇する酔っぱらいのめぐる。お見合いに85連敗していると嘆いている。彼が来ないの、というちあきの言葉に、黙ってハンカチを差し出すめぐる。
何か話して、というちあきに、昔の話だけどと語り出すめぐる。
ある女性がお見合いをしました。遅刻してきた男性は、春だというのに冬物のコートに傘を引きずっていました。嫌になった女性は、母の看病をしなければならないと帰ろうとします。男性はちょっと待っててと言っていなくなってしまいます。しばらくして戻ってきた男性は、バナナを一房お母さんにと女性に渡しました。バナナが非常に高価な時代です。驚いた女性は返そうとしますが、いいからいいからと言って男性は帰って行きました。そのとき女性は気付きました。男性がコートを着ていないことに。男性は質屋にコートを売ったお金でバナナを買ったのでした。
うちの父さんと母さんの話なんだ。そうなの…!?送っていくから帰ろう。うん、でももうちょっと待ってみる。めぐるくん、メリークリスマス。おう。
ケンスケが走ってくる。ちーちゃん!ケンスケ兄ちゃん!なんで遅れたの?…ごめん、聞いちゃいけなかったね。チコの体調が良くなくて。今年中には離婚するから。ケンスケ兄ちゃん…。
ちあき!そこへなおみがやってきて、ケンスケの頬を叩く。3月に2人目が生まれるそうね。チコちゃんと別れる気がないなら今すぐ消えて!ちあきは私のたった1人の娘なの。傷付く姿なんか見たくないの。走り去るケンスケ。
ケンスケ兄ちゃん行っちゃった…大好きなのに…ママのせいよ!…ごめんなさい、ごめんなさい!泣きながらなおみに抱きつくちあき。ううん、何も言わなくていいの。
――帰ったらホットチョコレート入れてあげる。

柴咲コウ『かたちあるもの』 歌:やさしいズ ギター:松本

《2004年》
大塚愛『さくらんぼ』を熱唱して上機嫌のなおみ。そこへ同じく熱唱しながら帰ってくるちあき。
良いニュースがあるの!その前に!私も良いニュースがあるのよ。なおみはお見合い写真を取り出す。あたし結婚する気ないよ?そんなことより、栄転で大阪に行くことになったの!広報部長に大抜擢されたのよ!そんなものになったらますますお嫁に行けないじゃない。今すぐ断りなさい。嫌よ!
あなたは1人じゃ何もできないの。ママがいないとダメなの。ママはちあきの幸せだけを願って生きてきたの。どうしてわかってくれないの?
もうやめて!あたし今まで全部諦めてきた。恋も夢も何もかも、ずっとママの言うとおりにしてきた。でももう限界。会社で重要なポストに就いてるの。あたしって凄いの。凄くなるために頑張ったの!あたしは子どもに頼りきりのバツイチ女とは違うんだから!
ママのことそんな風に思ってたの…?泣けばいいって思ってるんでしょ。あたし大阪行くから。

GReeeeN『weeeek』 歌:やさしいズ ギター:松本

《2012年》
GReeeeNのweeeekを聞きながら仕事をしている部下の郷村(寺内)を怒るちあき。あんた何年生まれ?平成元年ですけど…。平成元年って一昨日のことやん!部長、23年前です。わかっとるわ!
浩子が入ってくる。あんたが大阪の人と結婚してくれて助かったわ。こっち来てから全然友達できないし。あんた働き過ぎなのよ。あたしたちもう40歳なのよ。まあね。
ちあきが電話を取ると、なおみからだった。冷たい態度ですぐに切るちあき。もしかしてママ?そう。毎日電話してくるの。毎日!?何話すの?話すことなんてないわよ。咳が止まらないとか腰が痛いとかそんなことばっかり。あたしに電話する暇があったら病院行けっつーの。
チコ、離婚したよ。ケンスケさんが全部喋ったって。ちあきと不倫してたことも全部。…そう。連絡するの?しないわよ、もうなんとも思ってないし。そういえばめぐるくんどうしてるかな?東京中の結婚相談所に登録しまくってるらしいわよ。
浩子が帰った後、めぐるから電話が掛かってくる。浩子から聞いたよ、東京中の結婚相談所に登録してるんだって?…俺、結婚するんだ。12月に式を挙げるから、良かったら…。ごめん、年末は忙しいから…。祝電送るから会場と日時教えて。
なおみから電話が掛かってくる。ちあき、クリスマスは帰ってくるんだよね?はいはい。
拓海がなおみにちあきの様子を尋ねるが、なおみは曖昧な返事。また切られたんだ。あの子は忙しいから…。でもなおみさんの気持ちも考えて…!私ね、自分のことを間違ってたとは思いたくないの。あの子の幸せを願っているだけなの。もしそれが間違いなら、母親がすべて間違ってることになる。私は絶対に間違ってない。

クリスマスツリーの飾り付けをしているなおみと拓海。郷村の書類の間違いを指摘するちあき。
拓海は7色の花をなおみに差し出す。幸せだった7年分の色です。俺、7年に勝つ自信あります。だから俺と…!大きく咳き込むなおみ。薬は!?切らしちゃって…。買ってくるから横になってて!走り去る拓海。
ちあき、ママ幸せだったよ。よちよち歩きのとき、転びそうになって私の足にしがみついたとき、一生この子を守っていくんだって思った。幸せだった。
ちあきに電話するなおみ。誰もいない机の上のバイブ音に反応する郷村。しかしすぐに仕事に戻る。留守電になる。ちあき、今年のツリーは、本当に綺麗よ。
ツリーの横に倒れるなおみ。
終わったー!仕事が終わって郷村を夕飯に誘おうとするちあき。しかし郷村は、今日はクリスマスイブだからと1人帰っていく。
電話を取るちあき。…え?

『きよしこの夜』 ギター:松本

喪服を着て電話をしているちあき。めぐるくん?用事ってわけじゃないんだけど…あたしね、ママを殺しちゃった。
葬式の参列者が次々となおみの写真に手を合わせていく。チコ、ヒデキ、ケンスケ、ゴロウ、浩子。
めぐるが慌ててやってくる。びっくりしたよ、あんな電話してくるから。ごめんね。でも、ママは肺炎で死んだんじゃない、孤独で死んだんだと思う。たった1人の娘に冷たくされて、寂しかったんだと思う。
それは違う。拓海がやってくる。なおみさんは幸せだった。いつもちあきちゃんの話をしていた。俺だってなおみさんのそばにいられて…。7色の花をなおみの写真の横に置いて立ち去る。
良かった、ママを想ってくれてる人がいた。ママ、綺麗な花ね…。
結婚直前にドタキャンされためぐるは、新婚旅行代わりの傷心旅行に行く直前だった。旅はどこに行くかじゃなくて、誰と行くかが重要なんだよ。
良い雰囲気の2人に、幽霊になったなおみが騒ぎながら出てくる。ダメよめぐるくんは優しすぎるから!なーに言ってんのよ。ママ!?なおみのママがやってくる。あんただってあたしの反対を押し切ってシロウさんと結婚したじゃない。あたしたちは死んだ人間なのよ。静かに見守りましょう。
ちあきはなおみが用意したプレゼントの箱を見つける。ママは毎年プレゼントを送ってくれてたの。クリスマスには毎年ママにありがとうって言うってこと、忘れてた。これからは言うね。…ありがとう。

なおみとちあきの人生がスライドで流れる。
福山雅治『家族になろうよ』
1972年:ちあき誕生。1979年:ちあき、チコ、浩子、めぐる、小学校の入学式で出会う。1985年夏:なおみとちあき、淡い恋。1991年:ちあき、短大合格。1999年~:拓海、なおみを意識。2004年:ちあき、大阪栄転。2004年~:なおみ、寂しい日々を送る。2012年クリスマスイブ:なおみ、死去。2013年4月:ちあき、東京本社広報室長に。2013年6月:ちあきとめぐる結婚。2014年4月:長男あきおと長女なつみ誕生。

家族モノに弱い私は初日に号泣。2回目からは泣かずに見られたので、細かいところばかりをチェックしていた。
演者同士での笑わせ合いがヒドい。中村さんvsシューさん、中村さんvs忍さん、じろうちゃんvs伊藤さん、近ちゃんvs伊藤さん、寺内さんvs伊藤さん、田井さんvs松本さん。面白かったけど、長すぎてシューさんが怒ることもw千秋楽日1公演目にじろうちゃんがぶち込んだ新キャラは、案の定シソンヌまとめて後輩たちの前で怒られたらしい。千秋楽ではエンディングのみの登場。なおみの幼なじみの瞳さんという設定。
やさしいズの歌を聞くために全通したようなものだけど、本人たちは揉めながら練習していたようだ。佐伯さんは歌が上手いと思っていた田井さん、意外と音が外れるのは佐伯さんだと指摘したら、おまえは下手だとガーッと言われてしまう。それを相手に直接ではなく松本さんに言う辺りが。仲良しってことですかね。
オカマ3人が可愛くてねぇ。寺内さんはガタイ良いし完全に男なんだけど、田井さんは地毛に花をくっつけてるだけで可愛いくて宝塚の男役っぽい顔だし、佐伯さんはもうすべてが美しかった。唇の下にホクロを足していたのがセクシー。やさしいズ2人とも美脚すぎる。
千秋楽でのオカマアドリブでは、またしても佐伯さんが田井さんの無茶振りの被害に。炭鉱再び。田井さんの空手は知ってたけど、全国3位はマジなのかい?
よっちゃんが完全に女の子だった。おかっぱ黒髪のカツラと地毛の2パターン。地毛の方が可愛いって何事?知らずに見てたら女の子だと思ったまま終わったかもしれない。女装にハマったらしいとの寺内さんからのタレコミ。オカマ役や女役ばかり回ってくるから気を付けなさい!というシューさんからの助言。

丸山脚本の要素がすべて詰め込まれたような公演だった。生演奏、生歌、女装、オカマ、結婚、幽霊。過去の色々な公演を思い出しちゃったよ。
透ける衝立と淡い照明と映像が素敵だった。やさしいズの歌は、ちあきが生きる時代に合わせた、その年のヒットソング。かたちあるもののシーンが一番好き。田井さんの低音と佐伯さんの高音が融合して美しかった。5曲×6公演。こんなにやさしいズの歌を聞くことは今後ないと思う。至福の5日間。
次は歌だけじゃなく、ちゃんとした役があるといいな。演技も上手いんだから。

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