神保町花月「西遊記物語」

@神保町花月 19:00 C8

ついに千秋楽。この公演で2013年神保町花月本公演が終了。

体の弱い姉の銀閣(吉田)の体調を心配する弟の銅閣(中澤)。姉さんは強いけど身体は弱いんだから気を付けなよ。姉さん、誰に恋してるの?人間はやめときなよ、わかり合えないから。
人間の青年(文田)は銀閣を呼び出していた。俺っておまえのこと好きじゃん?愛するって決めたから、一緒に住もう。無理だよ、私は妖怪よ?人間の世界で暮らしていけないわ。だったら俺が妖怪の山で暮らせばいい。もう決めたから。愛すると決めた。

菩薩(寺内)は双眼鏡で下界を覗いていた。釈迦(池谷)は双眼鏡を羨ましがる。
取経の旅に出る人間を選んだ釈迦に対し、玄奘は相応しくないと怒る菩薩。取り巻きの妖怪も、苦難の旅にさせるため出来ない者を選んでしまった。
乱暴者で500年も山に閉じ込められていた孫悟空。名誉を求め河童にされた沙悟浄。女好きが行き過ぎて豚にされた猪八戒。

玄奘三蔵(根建)は妖怪たち(岡田/甲斐/しゃろん/ひので)に捕まっていた。助けに来る孫悟空(林)、沙悟浄(押見)、猪八戒(小林)。
取経の旅に出た人間を食べると不老長寿になれるという噂が、妖怪と人間の間でまかり通っていた。本当かどうかわからないが、そういう噂がある以上、三蔵は狙われてしまう。

銀閣を愛すると決めた人間の青年は、妖怪になり金閣と名乗っていた。銅閣とともに人間を狩っていると、命乞いをする人間(小幡)から不老長寿になれるという三蔵の噂を耳にする。
金閣兄さんは人間を恨んでるの?別に恨んでるわけじゃない。なんで妖怪になったの?愛すると決めたからだ。兄さん、人間の友達いた?いたよ。ずいぶん会ってないけど。

何をやっても上手く行かない三蔵。八戒は女の子たちを弄んできた過去を後悔している。自分は愛される資格が無い。強い悟空も500年の孤独を知っているし、頭の良い悟浄も見た目で笑われる劣等感を知っている、みんな負の感情を抱えて生きている。
三蔵法師様、友達はいましたか?いたよ。でも相手の器がデカいから受け入れてくれてたんじゃないのかな。そういうの止めましょうよ。

菩薩は下界を覗いていた。釈迦に双眼鏡を貸そうとすると、菩薩の持っている双眼鏡より良いものを用意していた。苦々しい表情になる菩薩。
妖怪と人間の争いは激化している。悪意は誰しもが持つもの。菩薩もさっき悪意の幕を張っただろう?無意識だから仕方ない。
正義は強くなければいけない。菩薩と剣の手合わせをする釈迦。

言い争いが続く悟空と悟浄。そこへ人間(池田)が妖怪に襲われたと助けを求めてやってくる。着いて行く三蔵たち。ニヤリと笑う人間。
三蔵と悟浄は捕まっていた。騙されちゃったね。妖怪が人間のフリしてるなんて。八戒が囮になり、悟空が武器を持ってやってくる。
ここらへんの妖怪は人間を食べているから、強くなっているんだ。
悟空と悟浄が言い合ううち、八戒との罰の重さが違うとお互いを庇い始める。君たち親友になれるよ!三蔵がどうにかまとめようとするも、キレた八戒に馬面と罵られ限界を超えてしまう。

銀閣は元々人間だった金閣が人間を狩っていることに罪悪感を感じている。決めた、もう人間は食べない!食べないで治す!だから今日は一緒にいて?
万が一のことがあっても、私は金閣の腕の中で眠れるなら幸せ。信じてくれる?ああ。
イチャイチャしていると、銅閣に止められてしまう。銀閣は寝ていろと追い返された。金閣は何かを思案している。
三蔵はダメだよ?金閣兄さんの考えそうなことくらいわかるよ。三蔵の背後には釈迦も菩薩もいるんだ。食べようなんて考えたら地獄の始まりだよ。
これで終わりにすれば銀閣もわかってくれるさ。…仕方ないな。ひとつ約束してくれよ。ヤバそうだと思ったら何も考えずに逃げてくれ。銀閣姉さんに私のせいで死んだと思わせたまま生きさせるのは酷だよ。愛することは生きることだ。

三蔵は旅を止めようとしていた。暴言を吐いたことを謝る八戒。それが原因じゃないんだ。それに僕、馬面じゃないしね!!!
そこへ金閣と銅閣が現れる。あっという間に3人を倒し、三蔵と金閣が対峙する。
あれ?金太郎くんじゃない!?おまえ…玄奘か?おまえが三蔵法師だったのか。うん、そうだよ!金太郎くん、こんなところで何やってるの?…妖怪の大将。
金閣に殴られた三蔵は昏倒する。手下が三蔵を連れて行った。

悟空、悟浄、八戒はバラバラに座っている。もう殺されたかな。旅を止めたがってたから、ちょうどいいんじゃないか?そうだな…解散するか。そうですね…。
それぞれが立ち去ろうとする。悟空が如意棒で地面を打った。あー!わかんねぇけど、わかんねぇけどアイツを助けたい!
アイツを助けたい!今までの言葉とか態度とか謝りたい!そして馬面ってことを認めさせたい!
下界へと降りてきた釈迦と菩薩がやってくる。ずいぶん大人しくなっちゃって。三蔵法師様が捕まってしまって、助けに行かなければならないんです!
俺が奴らと戦ってるうちにおまえらが三蔵を助けろ。お釈迦様、逆の方が良いのでは?菩薩の言葉に三蔵は、暴れたいんだよ!と叫ぶ。全員に見られ、抑制のためにな…と慌てて言い訳をする。
三蔵様と捕まったときにこっそりGPSを付けておいたんです。悟浄の機転で三蔵の居場所がわかった。行くぞ!

馬房のような牢獄で、三蔵は膝を抱えていた。金太郎くんが幼なじみを殺すなんて、よっぽどのことがあったんだよな。美味しいといいな…。
そこへ金閣がやってくる。食べていいよ、と命乞いすらしない玄奘に、変わっていないと言う金閣。成長してないだけだよ。いや、ずっと優しい。金太郎くんも変わってないよ。幼なじみを躊躇なく殺そうとするのには驚くけど。よっぽどのことがあったんでしょ?僕を食べれば不老長寿になれるよ。自分に期待する!
ありがとね。あの3人を殺さないでいてくれて。せめて助けに来ないでくれるといいな。場所わかんないと思うし大丈夫だよ。もし3人が来たらここに通してよ、説得するから!…騙してるんじゃないだろうな。そんなに頭良くないよ。そうか。
金閣が立ち去ると、銀閣が牢獄を開ける。今なら大丈夫だから、逃げて!小さい頃に一緒に遊んでくれて楽しかったから、金閣が決めたことに協力したいんだ。だから逃げない!
銅閣が走ってくる。姉さん、逃げるぞ!釈迦と菩薩が来た!僕を連れて行ってよ、わかってくれるから。もう遅い。下の奴らが戦ってるんだ。…金閣は!?

手下たちが釈迦と菩薩を相手に戦っている。全員が倒されたところで、金閣がやってくる。
すごい殺気だけど、誰かわかってる?釈迦と菩薩よ?わかっていてこうしている。善も悪も関係ない。興味が無い。俺の世界におまえたちはいない。だったら自分の世界だけで生きていろ、他人の世界に口出しするな!おまえが世界を区切るなよ!劣勢の金閣に、銅閣が助けに入る。
三蔵のもとへ3人がやってくる。助けて!助けに来たでしょう?違うんだ、金閣を助けて!なんだかよくわからないけど、わかった!
釈迦と菩薩、金閣と銅閣が対峙しているところへ、3人が走ってくる。やめてください!あなたたちより、三蔵法師なんです!あいつのことが、好きなんです!
三つ巴の戦い。銅閣が菩薩に斬られ、金閣が釈迦に斬られた。銀閣が走ってくる。金閣!銅閣、金閣を守ってて。どんな罪だって償う。ただ、おまえらは殺す!!!
両手に持った扇で5人を相手にする銀閣。しかし釈迦を斬ろうとした瞬間、咳き込んでしまう。一瞬の隙を突いて釈迦は銀閣を斬った。
やめてください!!!三蔵が釈迦に向かって土下座をする。やめてください…。
起き上がった金閣が銀閣を抱きかかえる。銀閣が金閣に手を伸ばす。思った通りになった。銀閣が倒れ、金閣が立ち上がり剣を取る。しかしそのまま倒れた。

正座をしている悟空、悟浄、八戒。菩薩の横には捕まった銅閣。釈迦は三蔵に説教をしていた。
金閣はどうなるんでしょう。地獄行きですか?不潔な悪じゃないから、おしおき。孤独はやめてあげてください。河童の姿もやめてあげてください。僕に罪を分けてください。背負います。ま、考えておくよ。金閣も銀閣もまっすぐだったからね。動けないようにするのが一番だ。
彼はどうなるんですか?銅閣を見る三蔵。酒池肉林地獄。酒と女に溺れる地獄ですよね?厳しすぎますよ!菩薩の言葉を遮る銅閣。それくらいのことはしましたから!今すぐ行きましょう!

これからも旅を続けてくれ、という釈迦に、この旅やめます!と宣言する三蔵。3人と一緒に旅をしても楽しかったで終わってしまいます。苦難にならないんです。
僕が旅をしている間、彼らが話して回ってくれれば。悟空は孤独を知っています、友達について話せます。悟浄は劣等感を知っています、努力について話せます。八戒は虚しさを知っています、愛について話せます。僕が旅を終えたら、すべてについて話せます。
みんな、ありがとね。大好きだよ。…じゃあね。釈迦は選別にと競走馬用のブリンカーを三蔵に渡した。それを投げ捨て、三蔵は立ち去る。
三蔵が立ち去ってすぐ、捕まったー!!!という声が聞こえた。即座に武器を持つ3人。行くな!三蔵が決めたことだ。俺たち、あいつのことが好きなんです!
釈迦の横をすり抜け、悟空、悟浄が走って行く。八戒は投げ捨てられていたブリンカーを拾って追いかけた。

どうしたんですか?菩薩が戻ってくる。もう少し、見守ろうか。
それにしても、金閣と銀閣を動けなくするって厳しすぎませんか?そうか?動けないっていっても色々あるだろ。例えば?お花とかね。

捕まった三蔵を助ける3人。八戒はブリンカーを三蔵の頭に被せた。

大きな岩には、2輪の花が咲いていた。

友情とか愛情とか姉弟愛とか慈悲とか、色々なものが重なって、笑って泣けて良いストーリーだった。
誰が主役でも良い気がする。感情移入するキャラによって、誰が善で誰が悪か変わってくる。
文田さんの迫力は素晴らしい。妖怪メイクも衣装もカッコ良かった。幼なじみで捕食対象が根建さんってのがまたね。どこまでも優しい三蔵は根建さんにピッタリ。
章吾ちゃんは動けるね!蹴り技がカッコ良すぎるでしょう。小幡さんと戦ってる時のアクションは凄かった。お姉さん想いの弟、いいねぇ。好きな男の前では強い姿を見せない銀閣姉さん可愛い。弟の前ではバッサリ人間倒してるし。吉田さんの日本舞踊も素敵。扇で戦う姿も綺麗だった。
林さんの悟空はピッタリ!アクション出来るし如意棒も似合う。孤独を知っていて虚勢を張る姿も泣ける。押見さんの冷静な悟浄は真っ青なメイクで大変そうだった。武器が壊れるハプニングもあったしね。よっちゃんの八戒は可愛い。常に笑顔で丁寧で世渡り上手な感じがハマる。三蔵を一番馬扱いしてたw千秋楽では長い人参を用意していて楽しそうだった。
正義が似合う池谷さんの釈迦は最強キャラ。殺陣演出も担当した池谷さん、凄いなー。寺内さんの菩薩は強くはないけど喋りが凄い。1を10にする話術。双眼鏡のときの表情が好きだな。
殺陣とダンスの6人の活躍がすさまじい。ひのでと甲斐さんはちょっとセリフもあったし、ちゃっぴーさんは池谷さんに、そんなに強いなら何か役目もらえよ!と言われるほど動ける。
メインの人たちは段差から前向きに跳んでるけど、彼らは後ろ向きに跳ぶからね!とんでもないアクションやってるよ。凄いよ。小幡さんと文田さん、ちゃっぴーさんと池谷さんの対決がカッコ良すぎた。池田くんが三蔵を騙す悪い笑顔もね。
ダンスのシーンもあって、やはりちゃっぴーさんと小幡さんがセンターに。ただ全員が黒尽くめで顔も隠れてるのが惜しい。エンディングで何度か顔が見える状態で踊ってくれてたのが嬉しかった。良い笑顔で踊るんだよねぇ。
会場手前の階段に、2輪の花が置いてあった。2日目に行ったときは花瓶に活けてあったけど、いつからか鉢植えに変わったようだ。これがラストの金閣と銀閣の姿。粋な演出に、初めてラストシーンを見たときはゾワッと来た。

これもまた、マジで忠臣蔵のようにルミネで再演してくれないだろうか。殺陣はやはり広い舞台で見たい!

[Around The World – MONKEY MAJIK]

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