60 (rokujuu) ひびのこづえ展「WONDER WATER」

@市原湖畔美術館 13:00 B11

2時間に1本の小湊鐵道に乗ってやってきた、千葉の房総半島の真ん中あたりにある高滝湖のど真ん中。突如現れる謎の鉄塔と湖に浮かぶ彫刻、そして不思議な形の建物。これが市原湖畔美術館。

美術館の展示室にステージを作って、ホワイトアスパラガスの美しい海の中を表現したダンスパフォーマンス。衣装はすべてひびのこづえさん。そして音楽は川瀬浩介さん。
自分の座席を確認すると、3方向に客席のある舞台の壁側最前列!めちゃくちゃ良い席にニンマリ。天井から吊るされている衣装たちのうちのひとつが、私の頭上をヒラヒラしている。どうやらクラゲのようだ。
舞台は上空の衣装を反射するほどのシルバー。青と紫の無数のバルーンがまとめられた衣装がふたつ、私の頭上と舞台の向こう側にもある白いクラゲ、そしてだらりと垂れ下がっている赤い網状の海藻だろうか、このあたりが舞台に反射している。客席上空には白と黒の水玉模様のイソギンチャクがふたつ吊るされている。
赤ちゃんから小さな子、若い人から高齢の方まで男女問わず幅広い客層。ひびのこづえさんが開演前にご挨拶。赤ちゃんの鳴き声もBGMになるから、親御さんは席を立つ必要はないと。ちょうど良いタイミングで女の子がキャーーー!と叫んでみんなでほっこり。幻想的な舞台ではあるけど、日常の雑踏にも近いガヤガヤした雰囲気もある不思議な空間。

ウェットスーツにシュノーケル姿のホワイトアスパラガスがスイスイと泳ぎつつ客席から登場。海の中を泳いで楽しんでいるようだ。
吊るされている青と紫のバルーンを引っ張って遊ぶ2人。グイーッと引っ張ったら取れた!界さんがふわふわと落ちてきたその衣装に脚を通し、袖を通し、頭にも装着。もうひとつの衣装をハチロウさんも同じように装着。側転してみたり漂ってみたり。どこが脚で手で頭なのかわからないくらいのバルーン。
次に2人が見付けたのは、客席上空に吊るされているイソギンチャク。青を界さん、緑をハチロウさんが装着。ふわふわのスカートのような衣装でとても優雅。こちら側の客席を向いて頭飾りを付けている界さん、アレ~?という困り顔で頭飾りを眺めて、くるりと前後をひっくり返して装着。テヘ、と声が聞こえてきそうな笑顔に、客席から笑いが起きる。リングを2人で6本。投げてみたりキャッチしてみたり。ハチロウさんの動きがとても優雅で、どこぞのおしとやかな令嬢のようにも見える。しかしこのリングのときはウェイ!だのワァ!だの叫びながらだから面白い。気の抜けた声なのにちゃんと技を決めてくるから笑っちゃう。ハチロウさんが投げたリングが天井の梁に当たって落ちたときの、界さんのアァァッ!という叫び声が面白すぎたwそしてこれを脱ぐときの界さん、逆立ち状態のまま脚で衣装を外していく凄技。
大きなヒレが衣装的なさかな衣装で登場した2人。青が界さん、紫がハチロウさん。さかな~♪うつぼ~♪という歌詞の「Fish and Moray eel」がやけに印象的で耳に残る。ゆらゆらしたりうねうねしたりな2人のコンテンポラリーダンスのような動きと相まって、まさに水中をたゆたうような気分。
だらりと垂れ下がっている赤い網状の海藻をブチッと剥がす2人。引きずってみたり絡まってみたり絡めてみたり一緒に絡まって見つめ合っ…ハチロウさんに睨まれて慌てる界さん。
大量のボールをハチロウさんに向かって投げまくる界さん。ボールを拾ってジャグリング。3個、4個、5個、仰向けになったまま3個を回しつつズルズルと動き回る2人。ヒレが立ち上がった状態でもボールを操るハチロウさんの妙技が素晴らしい。音楽が途切れて、ハチロウさんが5個のボールを回し続ける音だけが響く空間、深海の泡のようで魅入ってしまった。ヒラヒラと垂れ下がっていたクラゲに頭を入れて被り、ふわりふわりと揺れながら去っていく。
浮き輪を付けた2人が登場、「WONDER WATERのテーマ」でアスパラダンスとともに様々な技を披露。会場のあちこちから、うおぉぉぉ!と歓声が上がる程の凄技連発。凄まじいコンビだ…。
再び登場した2人、元気いっぱいに「ホワイトアスパラガスのテーマ」。大道芸のエンディングと同じアレ。客席もみんなでアスパラダンス!

エンディング。界さんの好きな衣装はこのさかな。アクロバットのときにヒレが揺れるのが良いと、その場でワームを披露。早く拍手して~。ハチロウさんも同じくさかな。ボールを腕に載せたときにヒレが立ち上が…あれ、今は立ち上がらん…。界さんが手でハチロウさんのヒレを押さえて左右にも見せる。
ひびのこづえさんと川瀬浩介さんの紹介。川瀬さんの質問コーナー。アクロバットとジャグリングだけに飽き足らず、クリエイティブな活動をしているようですが?ハチロウさんが自主制作しているアニメについて問われて動揺するハチロウさん。広告収入で生きていこうとしてません?ジャグリングありきのアニメですよ…。パソコンで絵を描いて動画を作って声も自分で入れている。これが結構面白いんですよ、と界さんのお墨付き。

衣装が頭上を通過したり、舞い跳び回る2人の起こす風圧に髪がなびいたり、使い終わった装飾をポイッと客席に放り投げられたり、一緒に遊んでるような気分にさせてくれる素敵な舞台。参加型のアスパラダンスはやはり楽しい。
「WONDER WATERのテーマ」でのダンス、ハチロウさんのピシッと伸びた手足が綺麗だなぁとニコニコ。ニョロニョロと手を揺らめかせる動きは界さんが綺麗だよなぁと頷く。
非現実的な衣装を纏いつつも、界さんを頭上まで持ち上げるハチロウさんとか、自分と変わらない身長のハチロウさんの頭上を跳び越える界さんとか、彼らの普段のパフォーマンスですら衣装が変わるだけで難易度は跳ね上がっているのではないかと思う。それでもニコニコ楽しそうに走り回ったり、ときには技を決めてドヤ顔を客席に向けてみたり、海の生き物になって表情を無くしてみたり。綺麗で幻想的で優雅で…いろいろと褒め称える言葉を並べても足りないくらいに楽しい舞台だった。

20cmほどの高さの舞台のギリギリに桟敷席が作られていたので、もちろん舞台は触れる距離。
大量のボールが投入された後。目の前の舞台ギリギリのところでうつ伏せになった界さんが手を伸ばし、落ちているボールに顔を寄せ、界さんの顔とボールを反射している舞台が彼の吐息で白く曇る。私が少し手を伸ばせば界さんの手に触れられる距離で、そんなシーンを見ていた。とても幻想的で、すうっと視界が狭まった気がした。その後ずいぶんと界さんの動きに釘付けだった。アクロバットでもなくジャグリングでもなく壮大な表現でもない、なんでもないような小さな時間だったのに、魅了された瞬間をはっきりと自覚した。
このエモーショナルな瞬間をどうにか残しておきたいけど、語彙力がないので限界。他人には伝わらないだろうなぁ。界さん本人に言っても気味悪がられると思うwでもあの瞬間、私は息が止まるほど惹き付けられたんだ。

衣装と音楽とパフォーマンスの相乗効果でこんな舞台が生まれるとは。思わずテーマ曲を購入してリピート再生。大道芸で聞いて洗脳される人が多数出現した「ホワイトアスパラガスのテーマ」はもちろん、「Fish and Moray eel」も洗脳ソングだと思う。毎日聞いて積極的に洗脳されていこう。

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