零点振動 vol.4

@綜合藝術茶房喫茶茶会記 19:15

谷口界さんのソロ活動を見に、四谷三丁目の路地裏へ。

会場へ入ると、界さんが椅子に座ってビフォアトークを繰り広げていた。もう1人の出演者、タップダンサーの一平さんは後方に置かれた机に座って何やらノートに書いているし、演出担当っぽい市松さんは客席側のパソコンの前から動かない。
アクロバットだったり逆立ちだったりも出来るけど、お客さんに見せるためのショーは他でやるので、ここでは内なる自分のためにお客さんの目を意識せずに演じることに挑戦している。今は4回目、前回もまだまだお客さんを意識してしまっていたけど、100回くらい続けたら見えてくるかも?とのこと。
コアな公演だからか、常連さんが10人前後というこじんまりした空間。初参加なのでちょっと気まずい気もするけど、会場に入った瞬間、界さんにオッ!来たね~と笑顔で迎えられたので一安心。

床に置かれた細長い一枚板の上に座り、一平さんが先程から何やら書いていたノートを手に語り始める。僕は幽霊なんじゃないかと思うんです。相手に自分の姿が見えていないのでは?と思う瞬間、浮いていると言われる事実、7/26は幽霊の日。13日の金曜日って何かありそうでないですよね。そこからホラー映画の話へ。ホラー映画は監督のサプライズ。どう見せるか、どう表現するか、どう裏切るか。
その横で、ペンダントライトと戯れる界さん。触れそうで触れなかったり、ライトの周囲でぐるりと身体を回してみたり。頭にライトを載せてゆっくり前進、チョウチンアンコウのような様相にも。
自分のスマホを操作している一平さん、iPhoneの通知音が徐々に音楽へと変わっていく。一平さんが客席に置いた小さなBluetoothスピーカーからも別の音が流れている。
一平さんの語りが終わったあたりから、徐々に激しさが増していく界さんの動き。広めに取られた舞台を客席ギリギリまで飛び込んできたり走り回ったりたまに逆立ちをしたり。どんどん激しくなる息遣いが聞こえる。
音響は音楽だけでなく、ペットボトルを振る水音だったり蓋を開けるプシュッという音だったり、不思議な音源も交えてくる市松さん。一平さんが机に座ったままタップシューズで机を蹴ったり手で机を叩くリズムも組み合わされる。
タップを踏む一平さんの背後から、触れるか触れないかの距離でちょっかいを出す界さん。ボールペンを足の指に挟んで、そちらの足を床に付けることなく動き回る。ボールペンを自分のキャップに入れるよう促す一平さん、ニヤニヤしつつフェイントを掛ける界さん。一平さんの腕を掴んで引きずり回したり自らが回ったり。
背後の壁に手を付け足を付け、どこかが必ず接地した状態で動き回る界さん。照明の明暗も相俟って、無重力状態で浮いているようにも壁が床のようにも見えていた。インセプションの世界だ。
椅子を頭に載せた界さん、市松さんが照らす懐中電灯の光に浮かび上がる。場所は新宿、海を体験している青年のようだ。自分のスマホをカメラ画面にしてお客さんに渡す一平さん。たぶん椅子の姿と一緒に撮りたかったのかな?撮る前に界さんが椅子を外してしまった。渡されたお客さんも心得た様子で写真を取り続ける。ピント合わせの音とシャッター音が客席のスピーカーから聞こえている。
喋り始めた界さん。標準語と関西弁。京都から出てきて10年、標準語も話せるようになった。しかし劇団四季や劇団☆新感線の舞台は標準語ばかり。関西弁はよしもと新喜劇だけか!?
無意識という作品を作って上演したら、大道芸で界さんを知ったお客さんが30人くらい見に来てくれたけど29人は無言で帰った。無意識かどうかはわからなかったけど面白かったと言ってくれた人が1人。それは…ファンか?その作品は無意識だった?いや、なんかそれっぽいの繋ぎ合わせたヤツ。
意識っていう作品やりたい!とタップシューズを脱ぎ椅子の上に立ち上がる一平さん。この雰囲気を壊したい!!!この衝動5日前くらいから急に来た!大声で叫びながら一平さんの周りを動き回る界さん。どう?壊れた!?
隣の部屋へ行ってみる。でも出口がないから戻ってきてしまう。
机や椅子を片付け、さらに広く舞台を作る。最後に1曲やって暗転させて終わろう。テーマは「意識」で。
界さんが踊り始める。一平さんがタップを踏みながら界さんをチラチラと気にしつつ歩き回る。その動きを意識しないように意識する界さんの目線や表情。一平さんの激しいタップの振動が足元だけでなく座っている椅子までビリビリと響いてくる。暗転、静寂。

アフタートーク。一平さんと市松さんはビール、界さんは次の現場への移動があるので麦茶。何故かバナナを取り出す。スポーツマンみたいだねと一平さんが覗き込むと、家に余ってたから…と食べ始めた。
お互いに目を合わせる、喋り始める、が終了の合図になっているので、一度気が抜けてしまったところからなんとか次のシーンへ繋ぐのが大変なんだとか。広いところへ安全に着地、という選択もアリ。100回目はオーストラリアでビール飲んでるかもね。お客さんは無の空間を見てるっていうね。
いつもは外で様々なパフォーマンスをしている界さんがこんなことをやりたい!と持ち込むけど、今回は特に無かったので、最初の15分を一平さんが喋るのであとは好きにという流れになっていた。季節的に幽霊の話をした一平さん、季節的に涼し気な選曲をした市松さん、上手いこと噛み合ってホラーな雰囲気になった。

私がよく見ていた即興、いわゆるインプロはお笑いなので、お客さんからもらったお題でストーリーを作ったり笑いを生み出したり歌ったりというものばかりだった。ゲーム形式で遊びながらインプロに慣れるとかね。
コンテンポラリーダンスのインプロってのはまた雰囲気が違って面白い。追い込まれてる姿が見えにくいので、ただただ美しい動きや音を見聞きしている感じ。喋り始めたときはオヤ?とは思ったけどwめっちゃカッコ良かったのに急に現実に戻されたw
アフタートークでお客さんの意見を聞くというのは斬新すぎるし、初っ端で界さんに名指しされてビビる。さりげなく目を逸らしていたのに…。冒頭の語り以外で喋るとは思ってなかったよね。この意外性もインプロの良いところではあるかな。楽しければなんでもアリだ!
大道芸でやっているようなアクロバットではないけど、界さんの表現したいことを次々に見られるし、不思議な動きやパワフルな動きはやっぱり凄まじいし、今ちょっと楽しくなってきたな?みたいな表情も見られるし、一平さんと絡んだり絡まなかったりも楽しそうだし、濃縮された1時間だった。あと前後のトークも自然体で楽しい。
タップは変わり種の集団だったりアイリッシュダンスだったりが好きで、目の前でタップなんてあまり見たことないので一平さんの足元を凝視してしまった。速すぎる凄すぎる。帰りにホラー映画の話をしたら相当好きそうなのでニンマリ。まさにサプライズというタイトルの映画、やはり知っていてさすが。界さんと市松さんはホラー苦手らしいのでこの系統は出来ないなw
市松さんがダンスに入ってくるパターンもあるっぽいので、次回は是非とも見てみたい。界さんと一平さんがわりと小柄な方なので、市松さんの迫力凄そうだな、と勝手に思っている。
10月までは毎月開催、ありがたい!私も常連になる!

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