神保町花月「生ガキがあたった夜」

@神保町花月 16:00 C2

安達さんの変態性を垣間見た問題作をさらっとまとめ。

ガウンを着て椅子に座っている男(押見)。その周りをウロウロと歩き回る男(房野)。いよいよですね。守、ここまで連れてきてくれてありがとな。感謝してんだ。
堺さん出番です!
ずっと聞こうと思って聞けなかったんですが、20年前の本番直前、何故姿を消したんですか?実はな…。

夜の公園のベンチ。イチャイチャしている岡本(池谷)と吉川(佐藤)。何してんだよ!ホームレス(押見)に声を掛けられ逃げていく2人。
新聞記者の五反田(房野)がホームレスに話しかける。探しましたよ、堺さん。いや、チョコロール堺さん。
50年前、椅子とセックスする競技、チェアーセックスがオリンピック競技になりました。それから30年間、日本は欧米に負け続けてきました。20年前に現れた男は瞬く間に日本一となり、オリンピックへの出場を決めました。しかし試合当日、彼は姿を消したんです。あなたの元コーチである壇上鉄平は半年前に亡くなりました。死ぬ間際、あなたの名前を呼んでいたそうです。
なんのことかわからないな。立ち去る堺。チョコロール堺、僕は諦めませんよ!

岡本のジムで特訓しているソフトタッチ小池(椎橋)と吉川。日本一になった岡本も、オリンピック予選で負けてしまった。僕は諸先輩方のような敗北はしません!と豪語する小池。
そこへ五反田がやってくる。取材に来てくれたんですか?いや、チョコロール堺を知ってるか?もし、もし彼が復帰したとしたら…。
そんなことあるわけないじゃないですか。僕が子どもの頃に活躍してた人でしょう?もし復帰しても負かしてやりますよ!

五反田がチョコロール堺の過去を語る。
暴漢に絡まれていた壇上鉄平(吉村)を助けた堺は、チェアーセックスの才能を見込まれ、壇上のジムで特訓することに。おっつぁん、ジョーと呼び合い仲を深める。
堺に恋をしていた紀子(田中)はチェアーセックスに明け暮れる堺に愛想を尽かしてしまう。
堺のチェアーセックスドランカー症候群を疑う壇上。しかし堺はそんなことはないと否定する。オリンピックで金メダル取ってきてやるよ。別れた奥さんと息子に会いたいんだろう?守くんはいくつになるんだ?6歳だ。じゃあ入学式に間に合わせないとな!
これがあなたの過去だ、チョコロール堺さん。あなたはこのときすでにチェアーセックスドランカー症候群に侵されていたようですね。そしてオリンピック当日、あなたは姿を消した。
僕が渡した名刺を見て下さい。僕は職業柄、偽名を使っています。本名は壇上守、壇上鉄平の息子です。
堺さん、3ヶ月後の日本選手権にエントリーしておきます。あなたは身体ひとつで来てくれるだけでいい。お待ちしています。

夜の公園のベンチ。そっぽを向いている吉川と、話しかけている岡本。小池さんばかり構って。あれは仕事で仕方なく!違う、あれはプライベートの目だ。
吉川くん、2人でオランダに行こう。オランダ?もしかして…。そうだ、結婚しよう!嬉しい、それだけは願ったらダメだと思ってた。

全日本選手権。出番直前のソフトタッチ小池はゲームをしている。アップしなくていいんですか?と心配そうな吉川に、全日本選手権なんか通過点だと余裕を見せる。
そこへ五反田がやってくる。やはり来ていないか…。どうしたんですか?チョコロール堺に会って、エントリーしておいたんだ。やはりダメだったか。
そこへチョコロール堺が現れる。ライバル心をむき出しにするソフトタッチ小池。ほら、おまえの出番じゃないのか?行くぞ吉川!
来てくれたんですね、堺さん。あんなこと言われちゃな。これ、父が死ぬ間際に握りしめていたセクサーパンツです。アップしましょう!
解説は岡本。ソフトタッチ小池の演技。優雅な音楽と華麗な演技が行われる。9.7!チョコロール堺の演技。力強い音楽と荒々しい演技が行われる。10.0!
オリンピックまで2ヶ月。壇上鉄平のジムで守とともに特訓を続けるチョコロール堺。
オランダに着いた岡本と吉川。指輪の交換をしてイチャイチャ。

ガウンを着て椅子に座っているチョコロール堺。その周りをウロウロと歩き回る守。いよいよですね。守、ここまで連れてきてくれてありがとな。感謝してんだ。
堺さん出番です!
ずっと聞こうと思って聞けなかったんですが、20年前の本番直前、何故姿を消したんですか?実はな…。
生ガキにあたったんだ。…は?前日におっつぁんが生ガキでお祝いしてくれてな。それにあたったんだ。ひどい下痢でチェアーセックスどころじゃなくてな。でもそれ言ったらおっつぁん首吊りかねないだろ?だから黙って姿を消したんだ。
しょうもなっ!真実なんてこんなもんだ。さ、行くぞ。

壇上鉄平の墓参りをしている守。堺さんは、これからどうするんですか?さぁな、風の吹くまま気の向くままってな。そうですか。
守が立ち去ったあと、墓に金メダルを掛ける堺。おっつぁん、金メダルだ。遅くなっちまったけどな。
杖の音とともに壇上鉄平が現れる。ありがとよ、チャンピオン。お祝いに生ガキでも食うか。うるせぇんだよ、じじい。

ブロキャス班といいつつ、主役は押見さん!何もかも諦めたホームレス、希望に満ち溢れた若き青年、再び立ち上がったおじさん、と3パターンの役回り。そして学習椅子でのチェアーセックスの演技。和風な太鼓の音楽と赤い照明と相俟って、池谷さんの解説通り祭りのようだった。千秋楽は拍手が沸き起こったね。
椎橋さんもライバル役として嫌なヤツを好演。キャスター付きの椅子でのチェアーセックスの演技はただただ美しい。白っぽい照明と白い椅子、椎橋さんの真っ白な肉体美。本人もやり切ったと言っていた。
房野さんは真面目な青年役。最近は泣き叫ぶような役が多かったから、こういう淡々とした役は久しぶりに見た。安達さんが入れた妙なポーズも可愛い。変態的なストーリーの中でも、守が本名をバラすシーンはゾワッと来たなぁ。
アドリブ演技を見事に解説した池谷さんも素晴らしい。良い声だね。可愛らしい佐藤さんとイチャイチャしまくる姿も楽しそうだった。そんな池谷さんの役名はスタッフロールで判明する。カルボナーラ岡本。
ひたすら池谷さんに振り回された佐藤さん、今回は可愛い役だった。千秋楽ではエンディングでチェアーセックスも披露。実はやりたかったんじゃないかと思うくらい、完成度が高かった。何故か御茶ノ水男子のアンパンマンネタを披露するシーンがあり、フルでネタをやっていた。安達さんの遊び心なんだろうか。
杖をついたおじいさん役だった吉村さん、途中でパブでカラオケをするシーンがあり、客席を歩き回って熱唱。お客さんと握手したりオロナミンCを渡したり。かなり自由な役だったけど、ラストは渋くてカッコ良かった。
急遽決まった田中聡美さん。ネタを見たことないのに神保町花月で何度も見ている。淡々とした無表情の役が似合う。長台詞を一気にまくし立てるのは凄かった。あと吉村さんが歌ってるシーンで謎のダンスを披露。アレは一体w

プロローグ、1話から6話、エピローグという構成。タイトルが出てたけど、3話と最終話の記憶が曖昧なので明記せず。
二人の出会い、ソフトタッチ小池、(不明)、恋、全日本選手権、(不明)だったはず。
タイトルが出るときの曲、どこかで聞いたことあるんだよね。前の安達さん脚本のときにも使われていただろうか。

問題作と言われながらも、自由度が高くてハチャメチャで楽しい公演だった。椅子を直視できなくはなってないけど、押見さんと椎橋さんを直視できなくなるよね。

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