ピクとジョーSP

@神保町花月 21:30 F8

初参加のトークライブ、2人が本気で芝居をやると聞いて。

銀髪でボロボロのコートを纏ったおじいさん(ピクニック)が、子どもたちに紙芝居を聞かせています。
『かりんとう爺とマシュマロ坊や』

おかしの王国の王様は、体調を崩してしまいました。
仲の良かった兄弟は、次第に仲が悪くなっていきます。
王様が息絶える寸前、三男のマシュマロ王子(ピクニック)に次期国王の座と財産すべてを与えると言いました。
王様が亡くなった後、長男の王子は新しい法律を作りました。子どもは出歩いてはいけない、泣いた子どもには罰を与える。
城中の人たちはマシュマロ王子を泣かせようとしてきます。しかし王子は決して泣きませんでした。

マシュマロ王子がお城を抜け出すと、ガラの悪い青年(シューレスジョー)に絡まれてしまいます。
兵士のところへ連れて行って褒賞をもらおうとしているのです。
こんな街にはいられない。
マシュマロ王子は街を出て歩いていきます。

きのこの山に入った王子は、森の中で迷ってしまいます。
そこで紙芝居師のかりんとう爺(シューレスジョー)と出会います。
いつかまた、たくさんの子どもたちの前で紙芝居を聞かせることができると言うかりんとう爺。
かりんとう爺は、マシュマロ王子が王子だと知っても兵士に渡さず、マシュマロ坊やと呼びました。
謝ってばかりで笑うことができないマシュマロ坊やに、かりんとう爺は目を見開いて大きく口を開けて頬を上げて声を出すんだ、と教えました。
マシュマロ坊やはかりんとう爺に紙芝居を聞かせてもらいます。

マシュマロ坊やが頻繁に城を抜け出していることを知った兄たちは、かりんとう爺を捕まえて牢屋に入れてしまいました。
「おまえさんたちはマシュマロ坊やと全然似とらんな。あの子のような純粋さが感じられない。
坊やはおまえさんたちと仲良く遊びたいと言っておった。
それからな、あの子はおまえさんたちが思ってるほど弱虫ではないぞ」

マシュマロ坊やは兄たちにかりんとう爺を牢屋から出すよう頼みます。
国王の座も財産もすべていらないと言うマシュマロ坊やに、兄たちはさらに無理難題を押し付けます。
昼までに子どもたちを100人集めてくるように。
村の家を回るマシュマロ坊やですが、兄たちが子どもたちを外に出さないよう事前に通達していたことなど知りません。
頭を下げ、土下座をし、それでも子どもたちは集まりませんでした。
泣きそうなマシュマロ坊やを、兄たちはじっと見ていました。

マシュマロ坊やは鉄格子越しにかりんとう爺に話し掛けます。
「僕はかりんとう爺に何もしてあげられない。ごめんなさい。かりんとう爺を助けることができない」
かりんとう爺は鉄格子の隙間から手を出して、マシュマロ坊やの頭を撫でます。
泣きそうなマシュマロ坊やに、かりんとう爺は紙芝居を聞かせます。
『かりんとう爺とマシュマロ坊や』
しかしお話の途中で、かりんとう爺は兵士に連れて行かれてしまいます。

「おかしには栄養はほとんど無いけど、子どもたちが笑顔になる。
紙芝居もおかしみたいなものだ」
かりんとう爺を助けて!と兄たちに頼むマシュマロ坊やに、笑顔でいるようにと言うかりんとう爺。
たくさんの子どもたちの声が聞こえてきます。
「みんな来てくれたんだ!
兄さんたち、かりんとう爺はこの村に必要なんだ。お願いだから助けて!」
兵士に連れて行かれたかりんとう爺は、笑いながら出てきました。
「兵士が縄を解いてくれたぞ。おまえさんたちにも、まだ優しい心が残っておったんじゃな」

マシュマロ坊やは兄たちと手をつなぎ、かりんとう爺の前に立ちます。
「紙芝居聞かせてよ!」
「お安いご用だ!」

銀髪でボロボロのコートを纏ったおじいさんが、子どもたちに紙芝居を聞かせています。
「もうこんな時間か。そろそろ帰らなくてはな」
かりんとう爺が、王様になったマシュマロ坊やを追いかけます。
「ここにいらしたんですか王様!私を大臣に任命したのはあなたじゃないですか!」

およそ30分という短い公演だったけど、ホロリと泣ける暖かいお話だった。これが1回だけなんてもったいない。
脚本は六連星でその名を知らしめた長内さん、演出は奇抜探偵シリーズでもお馴染みの福田さん。
ピクとジョーのユニット名を決める段階で候補に上がった『かりんとう爺とマシュマロ坊や』で神保町公演やりましょう!と言ったのが始まりだったとか。
元々ピクとジョーの作家だった長内さんと福田さんが作ることに。今週から本公演が始まったシューさんは非常に振り幅が大きかっただろう。
そして実際に決定したユニット名はカフェオレ。冒頭の紙芝居の人物紹介にも、ピクニック(カフェオレ)となっていた。

最近セットでライブに呼ばれることが多いピクとジョー。
しかしピク兄は五明さんとも頻繁にライブに出ている。五明は遊びだから!と言い張るピク兄。僕が本命ですか!?と嬉しそうなシューさん。
トリビュートtoブロードキャストで、ブロードキャストの漫才をカバーした2人。ピン芸人では絶対に言うことのないセリフを言えたと喜んでいる。
楽屋でシューさんがゆったり感中村さんと話していたら、ピク兄が近付いてきて「シュー、ネタ合わせするぞ!」と連れていく。ピン芸人では味わえない感覚に、意味もなく3回くらい繰り返したとか。
ネタが楽しすぎて、あと3回くらいネタやったらコンビ組みそうだと心配しているピク兄。

芝居もトークも盛りだくさんで、落ち着いたお客さんが多くて楽しかった。トークライブというより本公演を見に来ているような気分。
優秀な作家もいることだし、今後も2人芝居やって欲しいな。また本公演でも見たいけど。
急遽思い立って見に来たけど、やはりこの2人は外れない。見に来て良かった!

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