第三回クレオパトラ二人芝居「零ノ日」

@TwinBoxAKIHABARA 19:00

3回目となる二人芝居公演。前回は行けなかったので、今回は無理やり仕事を終わらせてやってきた。

月島天文台。月島博士(桑原)とジロウ(長谷川)は、星を観測している。聖闘士星矢の話ばかりで星には興味が無いジロウ。
流れ星はすぐに消えてしまうが、落下物が巨大になると隕石となり地球に大災害をもたらす。月島博士は、そんな隕石を発見する装置を開発した。凄いじゃないですか!隕石を見つけたらどうなるんです?
ブーブーブー…。赤いランプとともにサイレンが鳴る。そうだ、ちょうどこんな感じだ!…これ、テストですか?いや、テストじゃない。ええっ!
月島博士が装置を確認すると、巨大な隕石は地球に向かってきていた。いつ頃衝突するんですか?今夜0時だ。恐竜をも絶滅させたという隕石と同サイズ、地球は終わる。「零ノ日」だ。

道端。男(長谷川)は【0】と書かれたバッグを抱え急いでいた。あー、トイレ行きたい!この病院でいいか!これ重いから置いていこう。【0】バッグを道端に置き去りにして病院へと入っていく。
おじいさん(桑原)が病院から出てきた。手には【100】と書かれたバッグを抱えている。いかんいかん、忘れ物じゃ。【100】バッグを道端に置き去りにして病院へと入っていく。やがて、おばあさんの写真を持って出てきたおじいさんは、同じバッグが並んでいることに気付く。どっちじゃ?【0】と書かれたバッグを抱えて去っていく。
どっしりした雰囲気の男(長谷川)が病院へと入っていく。テンションと声の高い男(桑原)が病院へと入っていく。

病室。手術を怖がる少年マコト(桑原)は、大好きな野球選手の荒川(長谷川)がホームランを打ったら手術を受ける約束をする。空まで届くようなホームランを打ってよ!…普通のホームランじゃダメか?
お笑い芸人の塚田ボーリング(桑原)も病室へと入ってきた。世界中を笑わせたら手術を受けると約束するマコト。

樹海。夫のスグル(桑原)、妊娠中の妻マリナ(長谷川)、娘のセリナ(長谷川)は、死ぬために樹海へとやってきた。何も知らないセリナはジュースが飲みたいと無邪気にはしゃいでいる。世界には、何でも笑ってしまう部族がいるというわ。世界が笑いで包まれたらいいのに。口論になる夫婦。あなたはいつもそうよ、夜の営みのときだって!夜の営みってなーにー?セックスよ!セックスってなーにー?
木々の奥に何かを見付けた夫婦。樹カフェを経営するマスターのノブ(長谷川)は、死ぬ前にコーヒーでも飲んでいきなよ!と軽い。死ぬ理由を聞かせてくれないか?友達に誘われた会社経営、会社を起こすどころか騙されて借金を背負わされてしまった。

戦場。兵士のキース(長谷川)とセシル(桑原)は、建物に身を潜めていた。妙な宗教にハマったのか、キースは平和論を語る。流れ弾で怪我をしたキースのために、セシルは突破口を開くと言い出て行ってしまう。俺にもしものことがあったら、このロザリオを国の妻に渡してくれ。おまえ結婚してねぇじゃねーか!

ある国。笑い病という、笑いのツボが常人の50倍にまで拡大してしまう病気が蔓延する国。笑いすぎて呼吸困難を起こし死に至る病でもある。医者(桑原)はアンドレ(長谷川)の容態を診ているが、すでに末期の兆候が出ている。政府は治るかもわからない病には金を出せないと言い、国外逃亡を考えているらしい。やがて感染経路もわからぬまま、医者にまで笑い病が伝染してしまう。笑い続ける2人。

樹海。男(桑原)が息を切らして逃げている。そこへレイと名乗る少女(長谷川)がやってくる。お兄さんを観察しているの。人間はゼロからやり直せる。しかし男はもう無理だと首を振る。大量の金と銃を持って逃げている男、田沼は、仲間のキョウスケ(長谷川)とともに金を盗んできた。しかし追手に追い詰められ、二手に分かれて逃げている。銃声が響き、男が少女を逃がそうと追いやる。

宇宙船。レイは宇宙人(桑原)に、人間は優しい、滅亡を止めるよう懇願する。そのボタンを押して止めるのよ!ヤメロ!そこへ何かが飛んできて宇宙船を直撃する。

戦場。キースは無傷で戻ってきた。ジャパニーズコメディアンが兵士たちを笑わせているんだ!

ある国。テレビを見ている2人の笑いが止まっている。世界中を笑わせている彼のスベり芸は、我々の笑いを停止させる力を持っているんだ。

球場。あいつ、本当に世界を笑わせやがった。俺もやるしかない!ドーピングだ!!!

宇宙船。荒川の打ったボールが宇宙船を直撃。その隙を付いて、レイはボタンを押した。

月島天文台。月島博士!隕石が軌道を変えました!奇跡だ、奇跡が起きたんだ!

道端。【0】バッグを抱えたおじいさんが立っている。やっと見付けた!【100】バッグを持った男が走り寄って来る。これあなたのでしょう!そっちが私のバッグです。ああ、すみません。なんで【0】なんですか?ゼロにする仕事をしているからですよ。あなたのは?これは孫が100歳の誕生日祝いにとプレゼントしてくれたものです。
あなた、人間じゃないでしょう?よくわかりましたね。100年も生きていると、いろんなことがわかるようになるんです。
その時、0時の鐘が鳴る。
ああー!やっちまった…。これ0時までに届けなきゃダメだったのに。
ま、こんな日があってもいいでしょう。地球で初めて、誰も人が死ななかった「零ノ日」ですよ。

樹海。今にも赤ちゃんが産まれそうなマリナ。ノブがスグルに尋ねる。自殺するのか、産むのか、どっちだ!…頑張れ!頑張れ!ヒッヒッブー。騙されるなマリナ!ヒッヒッフーだ!
辺りが光に包まれる。な、なんですかこれ!?ああ、これは椎の灯火茸といって、光るキノコですよ。学名は天国の光というんです。

道端。あなた、死神ですか?そんなことまでわかるんですか!わかりますよ。あれ?あなた、もうすぐ死にますね。頭上のカウントがゼロになってます。よかったー!あなたを連れて行けば、少しは仕事した感じになりますよね。そうですか。ようやくおばあさんに会えるんですね。
あなたはこれからゼロになります。【0】バッグをおじいさんに渡す死神。【100】バッグの【1】を外し、ふたつの【0】をつなげる。あなたは無限になるのです。そして、【0】から【1】が始まるのです。

オギャーオギャー…。

誰も人が死なない、クレオパトラにしては平和な物語。世界中の零ノ日の一部始終。少しずつつながっていく構成はさすが。順番が合ってるか覚えてないし、台詞は適当だし、雰囲気でまとめた。
全部で19役を2人で演じきるとは。凄まじい。しかし塚田ボーリングはもう中のような感じだし、セシルはなだぎ武w声色とストーリーで、今誰を演じているのかちゃんとわかるのが凄い。月島博士の超長台詞も凄かった。
死神の「零ノ日」の台詞の後に地球をバックにしたエンディング映像が流れ、その後にストーリーの続き。ゾワッと来たね。あれは素晴らしかった。
光るキノコは神保町花月の「キノコ」だし、樹カフェのノブさんはロシモン川口さんが演じていたキャラだ。懐かしい!
こんなのを2人で作り上げてしまうんだから、クレオパトラやはり凄い。

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