StringraphyLabo vol.14 「共振」

@スタジオ・イヴ 19:00

ストリングラフィ演奏家の鈴木モモさんの実験室。様々なアーティストとのコラボレーションを行っているようだ。今回のお相手は谷口界さん。

会場というか一軒家のリビングのような広い部屋。部屋中に細い糸が張り巡らされ、紙コップが取り付けられている。壮観。撮影OKとのことだったので色んな角度から撮ってしまった。

ストリングラフィの構造上、糸が張り巡らされているので舞台がぐるっと客席を囲む感じになっている。会場左側からモモさん登場。風の音や波の音のような感じ。会場右側から界さん登場。コートを頭まで被り、四つん這いの状態で這ってくる。界さんの三点倒立、足をバタバタさせたりゆるやかに動かしたり。起き上がってからのコートの羽根のような羽ばたき。ようやく顔を出す。

薄暗い照明、四つん這いの界さんが地面から何かを拾って食べているようなジェスチャー。マハーバーラタで見た野獣を思い出す。モモさんの奏でる音が森の中の猛獣の遠吠えのような、遠くから響いている音がする。地面に倒れて操られる界さん。

コートを脱ぐ。窓枠のフックに掛けてシャツ姿で続行。置かれていた箱に頭を突っ込んでボールを取り出す。ついでにハットもポロッと落ちる。ボールジャグリングで会場を歩き回る。モモさんは右側に移動して音の違うストリングラフィを奏で始める。界さんが箱の蓋を開けて的にしてボール遠投。1投目は見事に入る。2投目と3投目は失敗。責めるようなノイズを奏でるモモさん。

窓枠からコートを外して再び掛けようとするも落ちまくり。落ちるたびにクネクネと踊る。

界さんが箱を引きずって左側通路へ移動。糸の間から手を出して何かを食べる仕草。すくい取ってすすっているような…?モモさんにハットを被せられて少しだけハットジャグリングも。さらに進んで客席背後まで移動、腕をひたすら動かす動き。再び舞台奥へ移動して倒れる。モモさんが徐々に客席の方へと移動しながらゆるやかな音を奏でる。

公演後は懇親会と称したゆるやかなアフタートーク。現代サーカスと一緒にストリングラフィをやりたい野望を持っているモモさん。界さんはその第一歩。界さんは普段即興ではやらないボールジャグリングに挑戦。ドロップ多くて全然出来てないと嘆いていた。相当な手練で即興ジャグリングをやりまくってないと難しいらしい。 客席にはファンだけじゃなく関係者も何人か混じっていたようで、新たな繋がりも生まれていた。ストリングラフィと現代サーカスの共演の実現も近いかも?

界さんの新しい挑戦は毎度楽しみでワクワクする。界さんをキッカケに知らないジャンルの人を見られるしね。ストリングラフィは初めて見たけど、弦楽器なのに自分が移動しないと演奏できないからダンスっぽい要素もある、音階があって曲も弾けるけどノイズや動物の声なんかも出せる、紙コップがスピーカーになるから紙コップのある場所から遠い近いで聞こえ方も違う、不思議な楽器。管楽器のような音も聞こえてきたし、演奏者によって出来ることが多いんだろうな。現代サーカスのコンパクトなセットとともにこのストリングラフィがあったら楽しそうだな。実現したら絶対見に行く。
森っぽいなと思っていた界さんの野獣シーン、ストリングラフィ考案者の水嶋さんが森全体を大きな楽器にしたかったという想いから生まれたというインタビュー記事を見て、少しは根っこの部分を感じられたんだと嬉しくなった。
やはり界さんのやることは面白いな!

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