神保町花月「紅十 Final」

@神保町花月 16:00 B13

3ヶ月間連続公演がいよいよ終演を迎えた。会場の外の紅葉企画、見事に真っ赤に染まってた。
#3の舞台は2011年の年末。18人ものキャラクターが登場したシリーズなので、人物紹介を中心にまとめてみようと思う。

まずは#3にはほとんど登場しなかった人たちをサラッとまとめ。
■緑川オサム(向坂) #1
締め切りに追われているため参加せず。
■石黒浩一郎(小川) #1
体調不良で倒れる。序盤とエンディングのみ出演。
■海鳥サトシ(向坂) #2
映像とエンディングのみ出演。
■ROKKO木島(久松) #2
海鳥と共に映像とエンディングのみ出演。
■ラジュ・ゴールドマン(西木) #2
インドで霊媒師をしている。映像のみ出演。

そして#3での登場人物。
■白州紅子(武内) #1#2#3
最近主役が回ってこない。次の出演作は、タケルの母親で教師の市之介に惚れる役。市之介のことはなんとも思っていないと強がっている。
■みかん(じろう) #1#2#3
紅子の配役に不満を感じ、ディレクターの石黒を色仕掛けで懐柔しようとする。紅子と共に目白を心配している。
■目白守(忍) #1#2#3
相変わらずの死体役。しかし50段の階段落ちのスタントオーディションに挑戦。最後の2人に残る。紅子への想いを伝えようとするものの、結局何も言えず。
■村崎市之介(椎橋) #1#2#3
奥さんとはラブラブだと周囲に宣言しているが、実は半年前に離婚している。紅子に渡すはずだった婚約指輪を持ち歩いている。
■灰谷和人(佐藤) #1#2#3
1年間インドのラジュの家に居候し、霊感を身につけ帰ってきた。幽霊の存在を感じることが出来、声を聞くことが出来る。
■金城タケル(西木) #1#3
付き人の山本をこき使うのは相変わらず。演技やダンスも成長していない。
■山本青太郎(黒沼) #1#3
タケルへの不満が爆発、暴言を吐いて付き人を辞める。後にタケルの暴露本を出版。
■青山公次(黒沼) #2#3
ジョニーズ事務所代表。タケルの付き人が決まるまで、自ら付き人をしている。20年前のスーツと携帯電話を愛用中。
■黒川良太(小川) #2#3
ワイドショーで「黒川の手帳」という芸能コーナーを持つ。現在は市之介を追い回している。過去に記事を書いた紅子と栗山の不倫が、でっち上げだったと青山に白状する。
■栗山健一(宮川) #1#3
ADとして市之介主演作に関わる。石黒が倒れたことで、初のディレクターに昇格。目白が死ぬシーンの演出を付けようとアイディアを出す。
■栗山健(宮川) #2#3
すでに他界。幽霊としてスタジオに存在している。幽霊が想いを寄せる人に触ると死者の世界に引きずり込んでしまうため、息子の健一がいる場所には現れない。
■キティ浜口(久松) #1#3
1年前、階段でつまづいて頭を打って死亡。栗山と共に幽霊としてスタジオに存在している。死んでからもお喋りが止まらない。
■波戸隆一(向坂) #3
市之介の付き人。世界的なアクションスターを目指している。みかんの息子。自分の存在を明かしていなかったみかんを、赤の他人だと突き放す。階段落ちのスタントオーディション最後の2人。

目白のスタントオーディション、紅子とみかんには明かすものの、みかんの息子である隆一が自分と同じ最後の2人だと知り他の人には言い出せない。結局、わざと落ちて田舎に帰ろうとする。
隆一はみかんを父と認めないと突っぱねるが、オーディションに合格した際に止めるのではなく「危険なことをするんだから覚悟しなさい」と伝えたみかんに、ようやく笑顔を見せる。
田舎に帰ろうとする目白に電話を掛け続けるみかん。目白の乗ったバスがジャックされたというニュースを聞き、灰谷の静止を振り切り走り出す。戻ってきたみかんに、灰谷は「それも運命だ」と告げる。照れながら戻ってきた目白に、紅子が抱きつく。「みかんさんが、死んだの…!」自分の死を信じられないみかんの前に、キティが姿を見せる。
栗山は不倫でっち上げについて白状する。奥さんがホストにハマり借金を作ってしまった。それを息子の健一に知られたくないと、借金の残り300万を返そうとする。今の栗山さんなら300万くらいどうにかなるでしょうと笑う黒川に、ガンが見つかり余命半年だと告げる。
黒川が紅子の不倫記事がでっち上げだったと話すのを聞いてしまった市之介は、紅子に離婚したことを伝え、一緒にいたいと本心を明かす。紅子もまた、自分に嘘をつきたくないと市之介の手を取った。
目白は、1人スタジオで涙を流す。「みかんさん、僕ひとりぼっちになっちゃいました。なんで僕を置いていっちゃったんですか」「ごめんね目白ちゃん。抱き締めてあげたいけど、出来ないの…」
2040年。紅子と市之介の婚約式が行われた。牧師役は目白。栗山、黒川、灰谷、青山、タケルが参列している。そこに現れた海鳥とROKKO。20年前にロスで結ばれたらしい。
みかんさんがいれば、と呟く目白。そこにいるよ?と灰谷が指差すと、みかんが現れる。しかし灰谷以外の人たちにみかんの姿は見えていない。「そんなわけないじゃーん!」
盛り上がるみんなを、笑顔で見守るみかんと目白。

オープニングは激しい音楽に合わせて決めポーズとフォーメーション。11色に彩られた鮮やかなセットの中、紅い照明の中でピタッと決まってカッコイイ。音に合わせて順番に顔を上げていくシーンは鳥肌。ちゃんとキャラに合わせた立ち振る舞いをしてるから、カッコ付ける椎橋さんや西木さん、クネクネする久松さんなんかが目に入る。シソンヌ2人がなんともいえない悲しそうな表情で、ラストを予感させてることに気付く。
[Voices Within – Sirenia]

紅子と市之介、みかんと隆一、目白と紅子、みかんと目白、栗山父。シリーズを通して見ていると、それぞれの関係が見えて泣ける。
#1のとき、みかんさんは目白ちゃんのこと好きなんじゃないかと思っていたのが見事に的中。一番泣けるシーンに仕上がっていた。シソンヌの底力、凄まじかった。今思い出しても泣ける。
新キャラの隆一がみかんさんの息子ということで、舞台上だけでなく客席からも「え!?」という声が溢れていた。#2での三上がバツイチだという発言がこんな伏線になっていたとは。隆一の子どもっぽい素直さが可愛らしかった。シリーズで唯一、3役を演じた向坂さんの幅広さには驚かされる。
シリーズを通してオカマだった久松さん、かなりこなれてきたんじゃなかろうか。ライバルだったみかんが死んだとき、一緒になって泣いていたのにはウルッと来た。きっと自分が死んだときも同じ経験をしたんだろうな。
黒川ちゃんがますます嫌なヤツになっていてニンマリ。こういう憎みきれない悪役が出来る人は貴重だと思うんだ。青山さんに対抗してる姿は、目がイっちゃってて本当に怖いw
タケルくんがホントにヤなヤツに見えてくるあたり、西木さんの演技力なんだろうか。芸能界なんてよくわからないけど、こういう子、いそうだもんね。
若者っぽい荒さの山本と大人の落ち着きをまとった青山を演じた黒沼さん、凄い。あんなに顔つきが変わるもんかね。
宮川さんは親子2役。物悲しい雰囲気の父と明るく元気な息子。こちらも顔つきがずいぶん変わる。
御茶は2人してメイクがひどくなる一方。いやいや、カッコイイ役じゃないの。ふざけたいんだろうなー。椎橋さんは演技のときと殺陣のときの顔が違いすぎるw
紅十の中心といえば武内さん。可愛らしかったり大人のずるさを見せたり、強がってる感じが前面に出てたなぁ。武内さんがいると安心して見ていられるのが凄い。

さすが千秋楽、じろうちゃんの小道具も増え、みんなのメイクも最高潮にやりすぎていた。ROKKOさんが海鳥さんの頬にキスする展開も#2と変わらず。久松さんのニヤッと笑った顔が見えて、またやるんだと気付いてしまった。驚いてセリフが出てこない向坂さん…相方の動向くらい慣れようw
お互い何を仕込んでるのかわからない状況のようで、椎橋さんのメイクとか向坂さんの佐藤さんの私物衣装とか、みんな吹き出してた。最後だから好き放題やったんだね。うん。
エンディングで幕が開いたとき、涙が出てきた。3ヶ月ずっと見てきたからな…。終わってしまった。寂しいなぁ。

御茶目当てに見始めたシリーズ。今じゃすっかり久松さんと小川さんのトリコ。こうやって好きな芸人さんが増えていくんだ…。

[愛唄 – Little whisper]

コメント

  1. 翌檜 より:

    「紅十 Final」は初日を観た後帰宅してすぐ、数少ないヒントを頼りにオープニング曲を探し当てました。
    そして最終的に全公演終了後は、紅十三部作のBGMを聴きながらティラミスを食べるという行動に出てしまいました。
    恐るべし紅十ワールド。今回は完結編という事で、何回か観に行きました。
    千秋楽はアドリブ満載でやりたい放題でしたね。初日とのギャップがとんでもない事になっていました。
    しかし終演後はとても感慨深いものがありました。「これで本当に終わりなんだ」と。

    今年の三ヶ月公演を両方観てきた身としては、こうして超若手に興味を持ってもらえる方が増えていくのが嬉しいです。
    だからこそ敢えてここで呟いてみる。
    「インコンプリートボーイズも観ればよかったのに」と。

    ちなみに、最近更新された楽屋裏ブログには、脚本家と演出家の皆さんからのメッセージが掲載されています。
    http://jimbocho.laff.jp/blog/final_2/

    公演終了後も更新してもらえるなんて、愛されていますね、紅十。
    出演者・スタッフの皆さんに感謝です。三ヶ月間、お疲れ様でした。

    1. ナオミ より:

      ティラミスは私も食べましたねー。みんな同じことしてたと思いますw
      各演出家さんのメッセージ良かったですね。それぞれの特色が出ていて、みんな好きでした。

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