@神保町花月 19:00 B10
ちゃんと覚えてるかどうか疑わしいけど、どうしても残しておきたいので簡単にあらすじを。
ワスルド ノアース歴3075年
25歳の青年(ピクニック)は、幼い頃に両親を失い、孤児院からも抜け出し、靴磨きで生計を立てていた。しかしそれだけでは食べていけず、スリを繰り返している。
そんな彼のもとに、政府の人間がやってきた。スリの腕を見込んで、軍事スパイになれと言うのだ。訓練所では3食出るという誘いに、腹が減っていた青年は首を縦に振る。
ヘイリア ノアース歴3040年
戦争ゴッコをする少年(シューレスジョー)は、友達と別れたあと、軍の人間に遭遇する。召集令状を受け取り、僕10歳だからわかんない!と答えるも、殴る蹴るの暴行を受ける。
それもそのはず、彼は25歳の青年だった。幼なじみのニーナにプロポーズするも失敗。お守り代わりに髪飾りを貰おうとするも断られる。彼女の背中についていた糸くずを手に、戦地へと向かう。
ワスルド ノアース歴3075年
軍事スパイの訓練所では、毎日のように筆記試験が繰り返されていた。そんな生活に嫌気が刺した青年は、現場で働くことを望む。
名も無き島 ノアース歴3041年
景色の綺麗な島で、兵士は戦っていた。仲間と呑気に恋人の話をしていると、突然敵襲がやってくる。轟音と共に、先程まで談笑していた仲間が変わり果てた姿になった。
大声をあげ、銃を乱射する兵士。赤く染まる景色。
「なんで戦争なんかするのかね。食料の足りない国だって、いっぱいあるのに」
「国境なんて、どっかのお偉いさんが線を引いただけだってのに」
名も無き島 ノアース歴3075年
軍事スパイとして、この島の洞窟に眠るダイヤの原石を手に入れるため、洞窟への道を調査することになった青年。彼はこの島で35年間生き続けた兵士に出会う。
両国が仕掛けた地雷が無数に埋まるこの島で、お互いを監視し合う生活が始まる。
スパイの「軍人は罪の無い人を平気で殺す」という言葉に、兵士は「好きで殺してるわけじゃない、殺されないように殺すんだ!」と激昂する。
その日の夜、ずっと嘘を付いていたスパイは、兵士にすべてを打ち明ける。
確かに戦争は終わった。しかし、ワスルドはヘイリアに再び戦争を仕掛けようとしている。軍事スパイとして、ヘイリアに両親を殺された戦争孤児が集められている。必ずこの島に戻ってきて、兵士を助け出すことを約束した。
翌日、兵士はスパイを洞窟へと案内した。慎重に花の種を撒いて道しるべにする兵士。
洞窟到着を素直に喜ぶスパイに、兵士は銃を突き付けた。
地雷が埋まっていることも聞かされず送り込まれたヤツは、どうせ捨て駒だ。そんなヤツの計画には乗れない。俺の計画に乗ってもらう。軍事スパイとしてのお前が死ねば、お前が追われることはなくなるだろう、そのためには死体が必要だ。
兵士が洞窟の入り口で立ち止まると、カチリと音がした。地雷を踏んだのか!?と驚くスパイに向かって、これは戦争中に俺が埋めた地雷だと笑う兵士。
戦争中、兵士は仲間が戦っている間、この洞窟にずっと隠れていたと告白。裏切った仲間への罪滅ぼしのためにも、俺はここで死ぬことにした。お前は生きろと叫ぶ。
花の種の詰まった袋をスパイに投げ、戦争のない世界を望む兵士。スパイは、振り返らずに走り去った。しばらくして、辺りに轟音が響き渡る。
スパイだった青年は、老人になっていた。白く咲きほこる花を手入れし、この花の種をくれたおじさんの話をしてあげる、と孫の手を引いていく。
花に光が当たり、やがて消えた。
とても重い話なんだけど、2人の演技力で見事に昇華されていたと思う。
演出のピク兄がこだわったのは、オレンジ色の光。確かに多用されていて、とても美しかった。そしてラストの花にサスが当たる様子、綺麗だった。焚き火のシーンも本物の木が使われていたと思う。こだわりだね。
エンディング映像の、地雷が埋まっていた島に花が咲いていく絵に涙があふれた。あの演出はずるいよ!
シューさんがめちゃくちゃカッコ良くて、スパイを逃がした後のシーンでボロボロ泣いてしまった。舞台に立っている2人だけでこの世界を創り出したことに感動。
映像がとにかくカッコ良かった。×を連想させる写真がたくさん。
これがチャレンジ公演だなんてもったいない。通常公演でもきっと売れたはずだ。3回とも満員だったと聞いた。そりゃそうでしょう。この2人が2人芝居やるっていうんだから、見に行くよ。
裏話のトークライブとか、やって欲しいなぁ。出来ればまた2人芝居、見てみたい。