@神保町花月 19:00 A7
2本立てのチャレンジ公演。2日間だけなんてもったいない。
『ヒア・カムズ・ザ・サン』
ヒロト(西田)…神保高校3年。正義感が強い。
フウタ(溝口)…神保高校3年。泣き虫。何度も幽霊を見ている。
ヤマト(斉藤)…神保高校3年。留年を2回繰り返している。次で3回目。20歳。
アオイ(小林)…神保高校3年。クラスのマドンナ。
アンズ(原)…神保高校3年。ヒロトを狙っている。
結衣(みかえる)…神保高校3年。アンズとブス対決をしている。
蓮(佐伯)…神保高校3年。クラスのまとめ役。
フジシロ(寺内)…神保高校教師。金八先生と酒が好き。日頃からアオイを可愛いと言っている。
黒田(たいゆうき)…フジシロ先生の代わりにやってきた教師と名乗るが…。
刑事(西澤)…14年前の飛行機事故を追っている。
イツキ(高橋)…14年前の飛行機事故の唯一の生存者。春から神保高校に入学する。
神保高校の生徒たちは卒業式の予行演習中。仰げば尊しを歌う生徒たち。泣きすぎて歌えていないフウタ。歌っていないヒロト。
フジシロ先生はアオイがお気に入り。ヤマトを留年させたのはフジシロ先生?しかし今ではマブ。
フウタはまた幽霊を見たと騒ぐ。ヒゲでオールバックでスラっとしてるんだよ!
そんなことより、と蓮が昨日の情熱大陸を話題に出す。オノヨーコ特集。世界を飛び回る彼女は、大変ではないですか?というインタビュアーの質問に、それが私の使命ですからと答えた。
そんな女性になりたい!とアオイ。使命か…とぼんやりするヒロト。
黒田と名乗る男性が教室に入ってくる。フジシロ先生は急病で、代わりにやってきたと言う。怪しむ生徒たち。帰ろうとした生徒たちは、学校中の出入り口がすべて封鎖されていることを知る。
何か知ってるんでしょ!?教えてください!ヒロトの言葉に、真相を語る黒田。
14年前、飛行機の墜落事故がこの場所で起きた。乗客乗員はすべて死亡。唯一の生存者は当時赤ん坊だった操縦士の息子だけ。報道では操縦士の操作ミスだとされているが、実は機体の故障だったのではないかという説もある。
刑事がやってくる。彼の父親は当時この事件を追っていて、真相に近いところまで追い詰めたらしい。その後を継いで調査している。
生存者、イツキは姿を消してしまった。彼のパソコンには爆弾の作り方を検索した履歴があり、今はこの高校に忍び込んでいるらしい。
学ランを着た少年が教室に入ってきた。残っていたフウタたちが怯える。もしかして爆弾魔!?笑い狂う少年。みんなそうだ。犯人だと決めつけて。
少年はイツキだった。黒田たちが教室に戻ってくる。黒田は飛行機事故で恋人を失った。被害者遺族の会では、操縦士が犯人扱いされ、イツキも責められ続けて生きてきた。
おまえの気持ちはわからないけど、命の大切さはわかるよ。ヒロトの言葉にうなだれるイツキ。黒田も刑事もイツキを責めることはない。
ありがとう。でももう遅いんだ。爆弾が体育館の教壇の下に…。
走りだすヒロト。黒田、刑事、イツキも続く。追いかけようとしたアオイを、ヤマトが止めた。
ポケットからペンチを取り出し、爆弾の線を切るヒロト。
彼らは生き残った。
ここで死ななかったのも、きっと何か意味があるんだ。イツキくんの使命があるんだよ。ヒロトの言葉に笑顔を見せるイツキ。
春から神保高校に入学するんです。みなさんとは入れ替わりになりますが…。いや、ヤマトは3年のままだ。いろいろ教えてやるよ。よろしくな。
黒田の名前を執拗に尋ねるヒロト。巻き込んでいただいてありがとうございます。いつ何があるかわからないってことを思い知りました。
卒業式。フウタは泣かずに歌っている。ヒロトもちゃんと歌っている。ヤマトはいない。
フジシロ先生は遅れてやってきた。おまえたちが卒業すると思ったら寂しくて眠れなくてな!
みんなが教室に帰る中、やり残したことがあるだろ?と蓮に言われたヒロトは、アオイに告白しようとする。しかしアオイは、自分の使命はヤマトを卒業させることだと言う。
え?もしかして…。あおたん、とヤマトがアオイを呼びに来る。
ヒロトが1人で座っていると、アンズがやってくる。さきほどのアオイと同じセリフ。ヒロトに告白しようとするが、ダッシュで逃げられる。追いかけるアンズ。
忘れ物を取りに来たフウタは、刑事にソックリでヒゲのある幽霊を見てしまう。フジシロ先生やヒロトやアンズがやってくるが、どうやらフウタ以外には見えていない。
アオイへの思いは散ってしまったけど、それでいいんだ。
エンディング映像は、教室で黒板にトリオ/コンビ名と個人名を書いて前に座る。字や映り方に個性が出てて良いね。寺内さんはよっちゃんの名前と自分の名前の間にハートマーク書いてたけど…。フロンティアはお互いの名前に矢印でブスって書いてたけど…。仲良しだなぁ。
長身組が大人で、そうでもない人たちが学生だった。斉藤さんは20歳だからw
ダイナゴンは安定の演技力よね。椅子から滑り落ちる溝口さんが楽しそうだった。西田さんの役は伏線がありそうでなかったなぁ。なんで爆弾の解体できるの?なんで黒田の名前を何度も聞いてたの?
よっちゃんの女装が可愛すぎる。これ知らずに見てたら最後まで男だと気付かないと思う。寺内さんは変態が似合うねぇ。可愛い!とよっちゃんをベタベタ触る姿がキモいよ!素敵。
佐伯さんの学級委員長っぽくてお調子者なキャラ良かったー!やり残したこと、あるだろっ!って西田さんの肩を抱いて立ち去る姿がもう!!!たいさんはスタイリッシュで黒服が似合うね。怪しい雰囲気だったのに、最後は優しげな感じだった。
高橋さんの狂気の演技が素晴らしい。西澤さんは幽霊のときが一番楽しそうだったねぇ。やりたい放題。
楽屋裏ブログの文章でも好印象な秋野さんの脚本演出、良かったなぁ。
『白色シンドローム』
ソラ(向坂)…半年前から記憶喪失。眠ることができない。
父(奥村)…ソラの父親。会社の社長。
母(横山)…ソラの母親。父を溺愛している。
主治医(澤木)…ソラの主治医。韓国語が話せる。
クロ(久松)…ソラの空想上の友達。オカマ。オリジナルゲームが好き。
シロ(松崎)…ソラの空想上の友達。少年。無邪気。
アカネ(夢子)…写真家の卵。ソラと仲良くなる。
ソラは半年より前の記憶が無い。母親に半年前になにがあったか聞いても、はぐらかされてしまう。しかし優しい両親がいて、幸せだと言う。
眠れないソラは空想上の友達、クロとシロと一緒に遊んでいる。しりとりやオリジナルゲームなど。
記憶がなくなる寸前、いつも身に付けているペンダントを握りしめていたことを思い出したソラ。きっと大切なものなのね。うん、20歳の誕生日に父さんと母さんからもらったんだ。
ある日、見知らぬ女性が庭に入ってきた。素敵なお庭だったから写真を撮りたくて。
鉄格子の付いた窓に疑問を抱くアカネ。ウチお金持ちだから強盗対策なんだ、と説明するソラ。
眠れないソラのために、お互いの電話では「おやすみ」という言葉を使わないようにしている。「またね」と言い合う2人。
ソラは晩酌をしている両親の会話を聞いてしまう。
最近あの子の様子がおかしくない?なんだかニヤニヤして。あの子が記憶を取り戻したら…私達があの子の本当の両親じゃないと知ったら…本当の両親が殺されたと知ったら…。明日探りを入れてみましょう。
部屋に帰ったソラは、あいつらが本当の両親を殺したんだと結論を出す。きっと金目当てなんだ。こんなところにいられない!
アカネに電話をして、明日家を出ると宣言する。そしたら景色の綺麗な場所に連れて行ってあげる。楽しみだね。
荷物をまとめるソラのところへ、クロとシロがやってくる。あいつらが両親を殺したんだと説明するソラ。
なんにもわかってないのね。なんにも知らないんだね。覚えてないの?8月19日。
ソラを起こしに来る両親。母さんが着替えさせてあげるから、出ていらっしゃい。そうだ、おまえに縁談を持ってきたよ。銀行の頭取の娘さんだ。
好きな人がいるんだ!と叫ぶソラ。
あの潰れかけの町工場の娘かね。あの家は借金があったそうだね。手助けしてあげたら喜んでいたよ。今は九州の田舎で家族全員幸せに暮らしているさ。人助けね、あなた。
家を出るというソラに、どこに行っても見つけてやるさ、と言う父親。ペンダントを触るソラ。監視カメラ…?GPS…?
もううんざりだ!父さんや母さんの敷いたレールの上をずっと歩いてきた。着る服すら自由じゃない。
包丁を持ち部屋を出てくるソラ。わかったわ、これからは干渉しないから、と言う母親の言葉。自由になることすら決められるのか!自由かどうかは僕が決める!
何度も何度も両親を刺し、笑うソラ。
ペンダントを引きちぎり、叫んだ。
思い出したのね?刺しながら笑ってたのよ、あなた。あなた、病気なのよ。心のね。愛する人もみんな殺すのよ。都合が悪くなると頭を真っ白にして。
あの人達は3人ともお医者さんよ。鉄格子で閉じ込めて、あなたがまた人を殺さないように監視してるの。
もう、僕は誰も殺さない!
白い錠剤を飲み込むソラ。
アカネに電話をする。家を出るの、明日だね。楽しみだね。
「またね」
「おやすみ」
「…え?」
ソラの手から携帯が落ち、ソラはベッドに倒れ込んだ。
エンディング映像は、公演で遊んでいるメンバー。ブランコこいだりバドミントンしたりシャボン玉したり。みんな楽しそうだったなぁ。もう一度見たい。
少年感覚とオクヨコは本公演に何度も出ている演技派。さすが上手い!狂気の演技も真に迫ってるよね。久松さんオカマだったけど、1回目は男だったらしい。2回目にして先輩なのをいいことにオカマでやりたいと進言。お見事でした。
横山さんは女装のためにすね毛を剃ったようで。やる気満々ですな。メイクしてもカツラかぶっても横山さんのままだったけど…。奥村さんのお父さんは貫禄たっぷり。殺され慣れたオクヨコ。
澤木さんは本当に韓国語を喋れるようで、1コーナー設けられていたw松崎さんの無邪気で強気な演技良かったー。久松さんと2人で両側から言い合うシーンは鳥肌だった。
夢子さん可愛いねぇ。もしやソラが好きだったあの子?とか伏線を期待したけど…ラストは観客に委ねる感じだったから、いろいろ妄想して楽しむ。
不気味なストーリー素晴らしかった。これも16期の小林さんの脚本演出。楽屋裏ブログのばやしこさんだと勝手に思ってるんだけど、違うかな。
2本立てで10分休憩挟んでたけど、どちらも本公演で見たかった。2日間だけなのはもったいない仕上がり。
16期は優秀だねぇ。最近神保町花月の脚本を書く人が偏ってる気がするので、新しい人にも期待したい。