@新宿ハイジアV-1 19:00
コント食堂でモクレン企画のインプロを見て以来、ずっと気になっていたワラインプロ。ついに見に来てしまった。
開演前、客入れ時点でモクレンが舞台上にいる。あとで使う用の紙を前列のお客さんに渡して説明している野村さん。片隅に置かれたキーボードでゲーム音楽をあれこれ弾いている矢島さん。
スルッと前説へ。某大手企業の新人教育研修で、2日間に渡り研修内容に沿った即興漫才を2時間おきに披露し続けた2人。計8本。野村さんは1文字もネタを書けないので、すべて矢島さんが頑張った。
インプロとは。即興演劇のこと。鶴瓶さんのスジナシとかゴッドタンのキス我慢選手権とか。
お客さんへの声出しで、揃えましょう。お客さんの言葉が揃うまで終わりません。これ僕好きなんですよ!とテンションが上がる矢島さん。胡散臭いですね!北海道で食べたいものは?カニとジンギスカンに分かれる客席。カニ!
レギュラーメンバーは、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、新妻悠太(トップリード)、高佐一慈(ザ・ギース)、溜口佑太朗(ラブレターズ)、北澤仁(ロビンソンズ)、鬼頭真也(夜ふかしの会)。
ゲストは高橋健一(キングオブコメディ)、石田剛太(ヨーロッパ企画)。
レギュラーメンバーは全員、白シャツに黒ズボン。しかしゲストには誰も教えてくれなかったので私服。石田さんは尾崎豊ナイトに出られそうな白Tシャツにジーンズ。いつまでも服装を気にしている2人。
インプロの基本ルール。受け入れること。思いついたことをそのまま言う。頭の中で検閲がかからないように。鬼ヶ島の野田みたいな感じですか!?と高橋さん。
自己開発セミナーみたい、とゲストの2人。幸せになれますよ、楽しいですよ、とそそのかすレギュラーメンバーたち。
ゲストが全然楽しそうじゃない!と危惧するメンバー。だってみんな同じ服装でニコニコしてるし…。
インプロ前に軽くゲームを。
・スリーシングス
カテゴリーに対して3つの答えを言い、次の人へのカテゴリーを言う。回答の良し悪しではなくリズムに乗れるかどうか。
温野菜というカテゴリーに対し、恵比寿店、渋谷店…と居酒屋として捉えた高橋さん。
芸人の名前というカテゴリーに対し、存在しない芸人2組のあとにザンゼンジと回答した新妻さん。さっき会ったから。同じく芸人の名前というカテゴリーに対し、海砂利水魚!と挙げた矢島さん。
・サ行禁止ゲーム
一言目によろしく…と言ってしまい自爆する石田さん。舞台に転がる。
一言目にヒトシ兄ちゃん!と言ってしまい自爆する高橋さん。ダウンタウンさん好きだからさぁ!
即興音楽からのスタートで、レギュラーメンバー3人でやってみるも全員自爆。誰も出来ねぇじゃん!!!と呆れるゲストたち。ある程度ストーリー続いたでしょ!?失敗してもいいんだ、ってのを見せたかったから。
準備中、夏っぽい曲を即興で弾き語る矢島さん。戻ってきた野村さん、良い曲流れてますねぇとニコニコ。
インプロ王決定戦。
番号を振られた8人。くじ引きでプレイヤーを選び、お題は野村さんの独断だったりお客さんからのお題だったり事前に書いてもらった紙だったり。5点満点でお客さんの拍手をもらい、ポイントを加点していく。最終的にポイント数が多かった人が優勝。
槙尾&新妻、未知の国のパン屋さんにインタビューする日本人。槙尾さんが未知の国の人、新妻さんが会話を進める。レモンが主食、メロンのお風呂。照明も緑になったりと凝っている。照明スタッフはモクレンが連れてきた即興実験学校の人たち。
高佐&石田、上司と部下。必ずどちらかが座っていなければならない縛り。部下を昼食に誘う上司。行こうよ、でも…座ったり立ったり忙しいw
高橋&溜口、全力面接。面接官からの3つの質問に答えられたら就職できます。ただし全力で!!!そして最後は抱き合う。スリーシングスが残っている高橋さん。やり遂げて握手して頭を下げ合った2人、お互いの頭をぶつける事件勃発。今一番面白いこと起きたよ!
鬼頭&北澤、歌。嫌そうな2人。お客さんからの言葉を元に、矢島さんの曲に合わせて即興ソング。一点集中、猪突猛進。客席を指差す鬼頭さん。一点集中♪謎のステップを踏む北澤さん。ちょ、ちょ、ちょ、猪突猛進♪すぐさま馬鹿にされる猪突猛進の人w弾いている矢島さんがとても楽しそうに笑っていたのも印象的。
北澤&石田、双子。見た目が似ている2人ならでは。質問禁止。とにかく話を進め続けなければならない。実は俺たち、血が繋がってないんだ。ちょっと似てるだけだって。知ってた。
槙尾&新妻、ペーパーズ。拾った紙に書いてあるセリフをそのまま言わなければならない。北極へ来た友人2人。ワンピースを借りパクしてごめんね!漫画の方だと思っていた槙尾さん、服の方だと思っていた新妻さん。女装芸人同士でちょうどいいセリフだと思ってた!
高佐&高橋&鬼頭、次どうするの?高佐さんが1人芝居。他の2人はアイデアを出すだけ。焼き肉を食べに行って牛たんを食べて生ビール飲んでフーゾクへw店員役でサラッと槙尾さんも参加。採用されなかった方の人が悔しがったり、意外な意見が採用されて驚いたり。
溜口、ソロインプロ。何をしても構いません!お客さんがしんどくなったら手を挙げる。半数が挙がったら強制終了。ラママのコーラスラインですか!?タレント生命に関わりませんか!?開始。飛び降り自殺を図ろうとする男。矢島さんの音楽で、僕の人生についての即興ソング。…ガードレールで何やってんだろう、俺。美しくもホッとするオチに、凄まじい熱気の拍手が沸き起こった。
槙尾、ソロインプロ。マスクを付けた鬼頭さんは何も喋らず、動かず。最初は締め切りを過ぎている作家先生に対する編集者。コメディになっていたので、野村さん判断で途中でストップ。コメディになってました?デヴィ夫人になってた、と高橋さん。野村さんからの設定提案。病に伏している奥さんの最期を看取る夫。奥さんを抱き締め出会った頃の想い出を語る夫。心電図の音が止まり、絶叫。拍手が終わっても客席のざわつきが収まらない。本当に泣いている槙尾さん。表情がないはずのマスクが悲しい感じに見えてきた、と新妻さん。
溜口&新妻、透明人間。自分が透明人間だと気付いていない。設定は部室。部員のかばんから財布を盗っている溜口さん。見られていることに気付いていない。お互いに混乱して慌てふためく。
高橋&石田、ペーパーズ。コインランドリー。石田さんが拾った紙を読み上げる。笑顔が素敵ですね。自分じゃ気付かないです、と微笑む高橋さん。黒髪のメーテルがこのコインランドリーに来るんですよ。パンツ履く暇もありませんね。拾った紙だけで見事に会話成立。
鬼頭&北澤&高佐、ワイヤーアクション。3人以外が黒子としてアクションのための補助。ヒーローモノ。日本が恋しいかーい!?というセリフで始まる。海外に住む日本人へインタビューしている鬼頭さん。日本が恋しいかーい!?えっ、ホントですか!?訪問を受けて喜ぶ高佐さん。そこへ荘厳なBGMとともに現れる悪役の北澤さん。日本を破壊してきた。ヒーローへ変身する高佐さん。空中からの攻撃だ!矢島さんの音楽があまりにもハマりすぎて、野村さんが即座に褒める。客席からも拍手が。
中間発表で点数の高い上位メンバーを残し足切り。槙尾さん、高橋さん、新妻さん、溜口さん。
1人ずつソロソング。
溜口、テーマなしのオリジナル。日記。今日の料理。買ってきた食材は使わず家にあるものでパスタ♪
高橋、ブルース。パーケンブルース?という溜口さんの言葉に反応して睨む。テーマは梅雨。水が止まない、水が落ちてくる、それが梅雨♪梅雨音頭♪今日イチかと思われる爆笑が沸き起こった問題作。ブルースだって言ってるのに…!と野村さん。水と一緒に歌詞が降ってきたから!
新妻、矢島さん任せのオリジナル。笑いは取らなくていい、梅雨音頭はアクシデント!と励まされる。彼が傘を持ってきてくれたけど断る、こんな感じで7年、そんな幸せ♪微笑ましい良い歌。川本真琴をイメージしたとのこと。
槙尾、ラップ。追うよりも追い掛けられろ。手拍子の中リズムに乗り続ける。ピン芸人のネタ見せみたいでしたね!
更に足切り。良かった2人を残す。高橋さん、新妻さん。
1人ミュージカル。複数でもやったことないのに!?と高橋さん。
新妻、テッペン取れよ。アイドルになりたい一人娘を東京へと送り出す父の心情。自分が一番高いと思う場所がテッペンだ!
高橋、横浜はいいところ。開港されて以来の横浜へ降り立つ高橋さん。40年ぶりに赤い靴のあの子と待ち合わせ。色弱だけど赤い靴♪ラストに槙尾さんが女性で登場。…誰ですか!?
インプロ王は、ほぼ互角だったものの高橋さんに決定!
告知。槙尾さん主催の女装好き男子の会、ここでもインプロを行うとのこと。モクレンにも女装してもらうから!矢島さんの奥さんの服を借りてくるよう指示されている。サイズ合うかわかりませんが…。女装用のインプロを用意しているという野村さん。
出演者目当てというより、内容目当てで見に行ったワラインプロ。おそらく始まった当初から名前だけは知っていたけど、どうしても見たい人が出てるわけでもないので見に行ったことはなかった。あと即興コントは地獄ばかり見ているのであまり良いイメージでもなく。
コント食堂でモクレンの流暢な前説とネタが気になり、インプロ企画がめちゃくちゃ面白かったので、彼らのインプロライブをちゃんと見たいと思い見に来てみた。
決められた台本通りのネタや芝居では起こり得ない奇跡の数々を目の当たりにして圧倒された。特に歌系が印象に残っている。高橋さんの梅雨音頭しかり、一点集中猪突猛進しかり、新妻さんの良い歌とか溜口さんの良い声とか。
野村さんの判断や提案、矢島さんの音楽も素晴らしい。2人の見事な連携と、楽しそうにやってる姿が見られて嬉しい。ヒーローモノのときの矢島さんの曲が特に好き。なんだろう、あの荘厳な魔王城のような曲は。あれを即興でやってるのが凄い。あと海砂利水魚!って言っちゃうお笑いオタクの片鱗も見られたしwちょっと天然炸裂してた野村さんも、プレイヤーの持ち味を引き出すようなテーマ選びが凄い。槙尾さんのソロは本当に泣けた。このコンビはお互いを尊重して良いところはすぐに褒めて、っていうのが良いね。オトナだ。ただネタに関しては矢島さんのみw
個人的に好きなのは新妻さんのソロソング。ただただ平和なカップルの歌。「素敵」という言葉がこれほど似合う人もそうそう居ない。即興でこんな歌詞を思い付いて歌えてしまうのが素敵。どんな環境で育ったらこんな真っ直ぐな人が出来上がるんだろう?
状況や言葉に合わせて照明もどんどん変わっていくのが見ていて楽しかった。スタッフまで即興専門で揃えてるとは。
すっかり気に入ったので、他に何も無ければワラインプロは行くようにしよう。そして女子会もモクレン単独も予約してしまった。あーハマったなー!