いいむろなおきマイムカンパニー doubt -ダウト-

@こまばアゴラ劇場 19:30

ギアのマイムパートに出演中のいいむろなおきさんのマイムカンパニー。関西での公演を見に行けなかったので、東京公演はありがたい!

もう1人も入れないのでは…と思うほど満席で補助席まで出ていた初日。舞台には白い箱が無造作に積まれている。
ブラックライトに照らされ、手がひらひらと鳥を形作る。トランクを持ったいいむろさん、黒マスクで顔を隠した黒尽くめ衣装のメンバー。追われ走り出す。メンバーの手で作られた「doubt」の文字。再びひらひらと鳥を形作る手たち。バッと一瞬で消え去る手。
…オシャレ!このオープニングを見て、心の中でオシャレ!!!と叫んでいた。タイトルの出し方がとても好き。これは白い服を着てかないようにしなければ、と心に誓った演出。
基本的なことかもしれないけど、7人が舞台上を走っているのに、足音ひとつ聞こえないマイム表現に度肝を抜かれた。あんなに音がしないもんなの!?

様々なシーンでループする世界。黒マスクで顔を隠したいいむろさんが、素顔のメンバーたちに翻弄され慌てふためき、ドン引きしたり一緒にキャッキャしたり怒ったり困ったり。
公演の9割はいいむろさんの表情が見えていない時間。でも、今何が起きていてどんな感情なのかがハッキリわかる凄まじさ。
相対するメンバーたちが表情豊かに動き回るのもあるけど、ギアで見る面白おじさんの面影はない…いや、あの笑いの取り入れ方は面影どころかど真ん中な気はする。

やっぱり岡村さんばかり見てしまうわけだけど、一番背が高いので他メンバーの頭上で空を切る手とか掲げられる箱とか、岡村さんを知らなくても目に飛び込んでくるのではと思う迫力。一番下の床付近でススッと動いているシーンもあったりで見逃せない。
谷さんに黒木さんを奪われるあの寸劇が大好き。ボロ負けしてるよ!可哀想だよ!疑いの目とか悲しげな表情とか下心全開のニヤリ笑いとかもう最高です。妄想力豊かなキャラで面白い。もしかして彼女と待ち合わせの部分からすべてが妄想なのでは…?とも思ってしまう。どうなんだ。
自分の身体から首に掛けて手を回してモソモソしてるアレ、WAO!!さんのときによく見る光景なのでニヤニヤしちゃう。

ほどよく散りばめられた笑いと、どんどんスピードアップしていくループする世界、集団のマイム公演は初めて見るけど、最後まで惹き込まれ続けていた。
絵画のシーンでのメンバーの決め顔が美しくて好き。西部劇での楽しそうなやり取りも好き。何語かわからぬまま言い合う車掌のシーンも好き。
何より、ラスト付近でのいいむろさんのソロマイム。芽吹き、花、蝶、カエル、蛇、鳥、猟師、焼き鳥屋、老衰、芽吹き…食物連鎖が手と顔の動きであれだけハッキリわかるマイム、凄まじいよ。
見に来ていたリスボンさんと公演後にお話させてもらったとき、いいむろさんのマイムは持っているものの重みを感じると言っていたのに深く頷いた。確かに、猟銃のズシッとした感じとか蛇を捕まえる鳥の爪の強さとか、怖さも一緒に伝わってくる。

8回公演のうち2回しか行けないというスケジュールなので目が足りない。千秋楽とかユーモアの部分がとんでもないことになりそうなんだよなぁ。うう、見たかった。大道芸ワールドカップと被るとかヤメてー!
とりあえず明日も見られるので、座りたい席に目星をつけてきた。違う部分も見ておきたい。

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