@パルテノン多摩 小ホール 13:00 C列11番
先週の流山に続き2回目の公演。前回である程度はストーリーや展開を掴んだので、もう少し細かく見られるはず。
パーカッションと三線の音楽ブースが舞台端にあるので流山のときより見づらいかも。開演前、三線の大城さんが舞台上に椅子を置いて演奏していた。
開演前の♪マハーバーラタ!古代の話、だけどこれは現代話!どうするどうするどうする!?という鋭いメロディのパーカッションと下町兄弟の歌声。これが舞台ラスト、王を取り囲んで全員で責め立て問い掛けるラップとリンクしていることに気付く。
王、群衆、矢、そして激しいラップと手拍子。♪どうするどうするあなたは!?ドリタラーシュトラ、王ー!の部分が強烈に印象に残っている。次のストーリーも見てみたい!と思わされる演出は素晴らしい。
流山のときより舞台が近い。前方に出てくる演者の表情はもちろん、筋肉の躍動まで見て取れる距離。圧巻。
どのパフォーマーが何の役をやっているのかわかってるからこそ、細かいところまで見ることが出来た気がする。冒頭の川満さんと福島さんの鹿のダンスは官能的で素敵。流山で見たときは急に始まった!と思って何が何だかわかってなかったしね。
メインの役と別の役でガラリと雰囲気が変わるのが本当に凄い。どうしても界さんを見てしまうし、セットで動くことの多い土屋さんも見てしまう。カルナのときはビシッとカッコイイのだけど、クリシュナのときのゆるりとした優雅な動きも美しい。あとあと厄介事を持ち込むキャラクターのようなので、次のストーリーも気になる。
ド派手なアクションがあるわけではないので前回はあまり見られていなかった吉澤さんにちょっと注目していた。ナクラのときの表情がとても良いなぁ。森の修行シーンでの豪快な食事風景には笑ってしまった。前回見たときは王の存在をごく自然に受け止めていたけど、よくよく考えるとメインキャラなのに仮面だしセリフかなり多いのに、自然に気弱な王として伝わってたの凄くないか。
あとYASUCHIKAさんの宦官のときの優雅な舞も素敵。アルジュナのときはビシッとした動きと表情を崩さないので、あの豹変っぷりはお見事。お召し物が…のセリフがとても好き。いかついのに可愛いとは…。
界さんがメインの衣装で逆立ちした後に裾をバサッと背後にやる仕草がカッコイイ…とかまたマニアックな見方をし始めた。
序盤の白衣装のときの立ち上がる動作ですら、界さんだけアクロバット要素を取り入れていたり。クル家が次々にポーズを決めていくサイコロ賭博のシーン、3人が揃っているようで少しずつ違うポーズなのもカッコイイ。2人立ってて界さんだけ逆立ち状態で足でポーズのシーンが凄すぎるな。
武器を持って対峙するシーンは迫力あるし動きが多様になってさらにカッコイイ。土屋さんが棒術のような感じで二刀流なのに対して、界さんは1本を指先でクルクル回したり武術というよりステッキみたいで美しい。
野獣のしなやかな動き、肩から腕まで段階で動かしていくあの動作はバリの舞踊を基にしているとの本人談。四足の動物的な動きではないはずなのに、なんだか野獣っぽい不思議。丸めた手を静かに手首から置くとか、腕をクロスさせてしゃがむとか、大型獣をものすごく研究してるなぁと伝わる。仮面を被ってあの動きをすると、界さんだということを、もはや人間が演じてるということすら忘れてしまう。肩から腕がすべて見える衣装はありがたい。見たいところを見せてくれる!
ガトーカチャ!相変わらずスモーク満載で肝心なところが見えてなかったりするけど、小谷野さんと対になった手をヒラヒラさせて踊るシーンを目の前で堪能できて嬉しい。バリといえばケチャしか知らないのだけど、あの手をヒラヒラさせる動きはバリの伝統なんだろうか。
アンコールに出てきたときのにこやかな笑顔とホワイトアスパラガスでもよくやっているビヨンビヨンと跳ぶ動きを楽しそうにやっていて眼福。逆立ち歩きをしていたら、川満さんにトンと背中を押されて思わず立ち上がってオイッ!って顔で川満さんを睨んでいたのが印象的。危ないよー!と思うものの、信頼関係なんだろうな。一緒にアクロバットやったりしてるもんね。
最後のアンコールではハンドスプリングを綺麗に決めて出てきたので、客席から歓声が上がっていた。カッコイイ!
終演後のアフタートーク、今回はメモ取ってなかったのであまり覚えてないけど、印象的な言葉。
張さんと20分ほど話して、京劇の要素をさらに取り入れるように変更した。
アウェイの要素を取り入れる。海外で公演したり、外国の舞踊を習得した日本人のプロを起用する。
マハーバーラタ自体は滅亡の物語、今回は戦いが始まる前のストーリーだけど、この戦いが「幻」だったらいいのに、という思いを込めて幻祭前夜。
イメージとしてパーンドゥ家は白っぽく、クル家は青と赤の衣装にしているけど、クル家が悪というわけではない。
界さん以外の人たちもカッコイイからもっと見たいのだけど、ついつい界さんに目が行ってしまう。2回見てもまだ見足りないので、長野と仙台を狙いたい。そして複数館来場の記念品をゲットするんだ。多摩はサンリオピューロランドがあるからか、キティちゃんのボールペンだった。可愛い。