@世田谷パブリックシアター 14:00 1階C列19番
フォルモサ・サーカス・アートの公演が中止になり、映像上映に変更。代わりに目黒さん演出のパフォーマンスが追加された。
西遊記の孫悟空の物語をサーカスで表現。フープ、クラブ、スタッフ、エアリアルティシュー、エアリアルフープ、シルホイール。男性6人と女性1人でアクロバティックな表現。
如意棒を模していると思われる1m弱の棒を使ったパフォーマンス、人が支えることでチャイニーズポールのような使い方をしたり、スタッフ技のような使い方をしたりと様々。複数人で複数の道具を使える利点と表現力だなぁ。
ラストのシルホイール、アクロバットで土台になっていた長身男性のソロ。ダイナミックなアクロバットがカッコイイ!と思っていたので大喜び。あのシルホイール相当大きい気がする。リングの中で背を反らして回転している姿がとても綺麗。身体を真横に倒して回転する技が凄かった。
シルホイールを支えて鉄棒のように使ったりと、力技が凄い。場面写真でも印象的なシルホイール上での片手倒立はここだったのか。
音楽を大音量で流してパフォーマンス中の音を消していたので、道具がぶつかる音やパフォーマーが着地する音が聞こえなくてちょっと残念。映像用にそういう演出なんだろうか。是非とも生で、目の前で見たい。来日公演あったら絶対見に行く!
2部はコンパクトな生パフォーマンス。目黒陽介さん演出、イーガルさん音楽、吉田亜希さん、安岡あこさん、油布直輝さん出演。
亜希さんとあこさんがうずくまって塊になっている舞台上、シルホイールの中を歩いて油布さん登場。2人を輪の中に入れ、バーン!とシルホイールを倒す。ビックリして起き上がる2人。悟空のパフォーマーが序盤で着ていたようなアースカラーの衣装、輪の中でくるくると手を取り足を支え回る動き。悟空の映像でラストに登場したシルホイールが冒頭に登場して繋がりを感じさせる。
2人が走り去り、シルホイールソロ。普段のソロの魅せる動きとは違う静かな動きというか…音楽や衣装の効果もあって、とても優雅な演技だった。とはいえ、両手を離したり舞台に仰向けになってシルホイール回したりと凄まじい技は健在。舞台端ギリギリまで迫る回転はド迫力だった。
あこさんと亜希さんがエアリアルティシューの布を引っ張ってくる。あこさんがティシューに登り、亜希さんが地上で踊る、亜希さんがティシューに登り、あこさんが地上で踊る。上空のパフォーマーと地上のパフォーマーが同じような動きをしたりと目が忙しい。あこさんがティシュー始めてるのを知らなかったので、めちゃくちゃ驚いた。さすがに本職のようなド派手な技はやってなかったけど、登るだけでも相当なことだというのは素人目にもわかる。亜希さんはさすがの技。空中で開脚はホント凄い。
短いパフォーマンスとはいえ、やはり生のパワーは素晴らしい。堪能した!客席に子どもたちも多かったからか、終演後に舞台上で手を振る3人が、緞帳が閉まっていく中しゃがんで覗き込んで手を振っていたのが微笑ましい。
コロナ渦で海外公演に出られない油布さんを見る機会が多いのは複雑だけど嬉しい。サーカス学校関連以外で見たのは初めてで、衣装も音楽もパフォーマンスもとにかく新鮮だった。目黒さん演出のシルホイールといえば谷口界さんの印象なので師匠(?)登場ですね。同じ道具でも人によって印象が違うのでどっちも楽しい。油布さんの余裕ある柔らかな動きが好きなので、冒頭の3人でくるくるしてる演出がとても好きだった。ふわっとした手先の動きがとにかく好きなんだ。良いものを見た。