@彩の国さいたま芸術劇場大ホール 15:00 1階D列23番
近藤良平さんの名前は昔から知ってはいるものの見たことがなかった。油布直輝さん出演かつダンスと演劇とサーカスと音楽と切り絵というまさにジャンル・クロスな舞台ということで見ることに。
幕が開くと、クラウドスウィングに乗った直輝さんが。ここでは命綱なしで揺れるだけ。降りたいらしく逆さにぶら下がってロープを要求。オールバックだし衣装も見たこと無い感じで新鮮。
シェイクスピアのテンペストをモチーフにしているらしい。演者が喋る言葉は断片的で正直あまり意味はわからなかったのだけど。
セリフを言い続けながら踊ったりパフォーマンスしたり、ほぼ全員が出ずっぱりだったり、ダンスやサーカスのアーティストだけでなくミュージシャンまで動き回ったり突かれたり担がれたり楽器を置いた土台ごと動かされたり、ずっとどこを見て良いかわからなくらい誰かがどこかで何かをしている。
舞台中央に吊られた巨大な輪からカーテンのように幕が下がっていて、開けたり閉めたり。開け閉めだけでも演出になっているの素晴らしい。
この輪の中でシルホイールだけが回ってるシーンが印象的だった。その後に直輝さんが出てきて、セリフ喋りながら揺らしたり回したり足技やったり。普段見るショーでの演出とも違っていて、見たこと無い技も見られた。後半の大技はどよめくし拍手も起きる。シルホイールで横回転しながらまっすぐ進めるんだ!?という衝撃。普通に持って帰るか中で歩いて帰るのしか見たことなかったから、思わずエッと声が出た。
終盤のクラウドスウィングの大技も凄かった。真志さんの肩に乗ってからロープに掴まるのも新鮮。天井の高い舞台で手前に吊ってるから客席の上を飛んでいる!
紙を操る技も。これは観客にとっても身近な道具だしなんとなく難易度がわかるので、一番どよめていてたw折っただけの紙を鼻の上に載せて延々とバランス取り続けるとか無理だよね…わかるよ…。家でやってみるお子さんとかいるだろうな。
3パターンのパフォーマンスの振り幅も凄いけど、ずっと踊り続けてセリフも言い続ける合間のパフォーマンスなのが一番凄い。持久力どうなってるんだ。
愛実さんの「やめて!」が可愛くてニコニコしちゃう。ピアノ演奏のオジサンとの攻防w踊りたいのに邪魔されるシーンを経て、終盤のエアリアルティシューに登ったときの、危ないよ!という言葉に対しての「やめて!」は笑いが起きたよね。心配してくれてるのにw
ティシューがめっちゃ高いところからめっちゃ長い状態で吊られてて、登る距離が半端ない。演者が持つ椅子の上を走るのが良かったな。
ラストのエアリアルリングが遠すぎてビックリ。舞台の奥行き長すぎない!?せっかく技やってるのに見えないんだけど!?
真志さんのコメディキャラが微笑ましい。一番ムッキムキで強そうなのにな。腕が全部出る衣装だったので、ちょいちょい筋肉見せてたwにじみ出る人の良さでなんだかほっこり。何度か披露した逆立ちのブレなさ凄すぎる。あんな中途半端な状態で止まれるもんかね。
木の椅子が舞台上にたくさんあって使われてたから、きっと真志さんの椅子倒立に使われるんだ!と期待してたけど無かった。残念。
ダンサー陣は入手さんしか知らなかったけど、他の女性陣もそれぞれ個性的な動きで楽しかった。
四戸さんがソロのときにやっていた民族舞踊のような動きが好きだったな。柿崎さんは動きが新体操っぽいなーと思っていたら元新体操選手という経歴だった。なるほど確かに。柔軟性とバランスが凄い。青井さんは踊るよりもセリフ。唯一マイクを持っている人。インタビューのように、宙を舞ってるパフォーマーにマイク向けてるの面白かったな。それどころじゃないでしょw
ダンスとサーカスと音楽はまだわかるけど、切り絵?と思ってたらセロファンと切り絵で情景を表現していて面白かった!なるほど、黒地に白の平面の切り絵しかイメージしてなかった。透ける色と紙の影で色々出来るんだ。口上もやる方のようで、セリフシーンでの声の通りがダントツ。
集団行動みたいな動きの中にミュージシャンが参加してたり、ミュージシャンが持ってる楽器を渡されて直輝さんが演奏してたり。ハットをみんなで回してるシーンのときにガリガリ回す楽器を演奏してて、ハットも気になるし直輝さんも気になるしで目がうつろだった。
ホントにいろんなジャンルがクロスした舞台だった。最後に切り絵が降ってくる演出も素晴らしい。紙吹雪とかじゃないんだ!
普段やらないジャンルをやる苦労、相当だっただろうな。最近は直輝さんがこういう舞台に度々出演しているので、見に行くこっちもジャンルが広がって楽しい。デカい舞台のクラウドスウィングの迫力は凄まじいということも知った。