@神保町花月 15:00 F9
半年に一度のピクジョー芝居公演。30分とはいえ完成度が高いので期待大。脚本はSASUKE先生の長内さん、演出は奇抜探偵先生の福田さん。
病衣を着た青年(ピクニック)がベッドの上で手紙を書いている。立ち上がり、窓を開け、望遠鏡を覗く。辺り一面に広がる星空。
『1ヶ月前(屋上)』
昼。ベンチに座りタバコを吸っているガラの悪い青年(シューレスジョー)は、左手の包帯を見て悪態をついている。
通りかかった病衣の青年が軽く咳き込む。空を見上げ、蒼い星…とつぶやき身を乗り出す。
何してんだ!ガラの悪い青年が腕を引き、自殺したいのか!?と怒鳴る。自分が落ちそうになっていたことに気付かなかった病衣の青年。
ソラと名乗った病衣の青年は、心臓病を患いずっとこの病院から出ていない。ケンカに明け暮れているガラの悪い青年は、イサムと名乗った。
ムカつくヤツをぶん殴るだけ、親とケンカとかしないのか?というイサムの言葉に首をかしげるソラ。親は良くしてくれるし、友達はいないから…。
俺の親は仲悪くてさ、今度家族で食事会に行ったときに、どっちに付いて行くか決めろってさ。
星の話になると急激にテンションが上がるソラを面白がるイサム。他のヤツよりおまえといる方が楽しいよ。
それってもしかして…と、も、だち…?友達だと思うなら友達でいいんじゃねーの?
友達ができたら一緒に星を見るのが夢だったんだ。ケンカなんかよりよっぽど迫力あるよ!
ソラっていくつなんだ?16歳だよ。なんだ、年下だと思ってた。俺も16歳!…16!?
『蒼い星たち』
夕方。星を見るには早いんじゃねーの?イサムが屋上にやってくる。いつものやつやろうぜ!星座クイズ!
ソラの出す問題にパスを繰り返すイサム。じゃあこれは?名前が「レ」の星なーんだ?答え聞いたら納得するよ。パス!
僕、絶対見たい星があるんだ。50年後の10月27日、夜空が一面に蒼く染まるって学者が発表してるんだ。一緒に見ようよ。
様子のおかしいソラ。僕、もう長くないかもしれない。医者と看護師が話してるの聞いちゃって。心臓病の進行が速いらしくて、手術することになったんだ。手術しても体力が持つかどうか。
ソラ、一緒に星が見たいんだろ!だったら生きるしかねーだろ!?俺は二度とケンカはしない。2人で蒼い星を見るんだ。約束だぞ。何があっても諦めるなよ。
次会うのは夜ね。いいもの見せてあげる。
夜。望遠鏡を覗いているソラ。顔中にガーゼを貼ったイサムがやってくる。つるむの止めるって言ったらボコボコにされてさ。でも俺は手を出してねーからな!
望遠鏡を覗いたイサム。すげー!!!星をつかもうと手を伸ばす。
ソラにお礼言わないと。親と食事会行ったあと、プラネタリウム行ってさ。なんかいい感じなんだ。ありがとな。
その望遠鏡いる?イサムくんならちゃんと使ってくれそうだからさ。僕、ちゃんと輝くから。見付けてくれよな!
何言ってんだ!約束はどうした!俺は守ってるぞ、もうケンカはしない!諦めるなよ!
うるさい!怖いんだよ、死ぬのが怖いんだよ!もう二度と来るな!!!
黙って立ち去るイサム。立ちすくむソラ。
――3日後、ソラの手術は無事に終わった。しかし…。
ベッドに寝ているソラ。ベッドの脇の椅子に座るイサム。最近俺、勉強してるんだ。目を覚ましたら驚くぞ。ソラの枕元に手紙が置いてあるのを見付けるイサム。
――イサムへ。呼び捨てでびっくりした?友達っぽくなれたかな。あのときはごめん。実は僕、将来は天文学者になりたいんだ。
ベッドに寝ているソラ。ベッドの脇の椅子に座るイサム。大学の天文学部に合格したんだ!
――2人で一緒に蒼い星を見るんだ。必ず。
ベッドに寝ているソラ。ベッドの脇の椅子に座るイサム。なんと新しい星を発見したんだ!これで俺も天文学者って言えるな。
蒼く染まる病室。ゆっくり入ってくる白髪頭のイサム。
ベッドに寝ているソラ。ベッドの脇の椅子に座るイサム。今日が約束の日だぞ。おまえと出会わなければ今の俺は無かったな。もうおまえより俺の方が星に詳しいぞ。そろそろ目を覚ましてくれてもいいんじゃないか?あの問題だけがどうしても解けないんだ。
…終わった?…ソラ?手術、終わった?ああ、成功だ…。
蒼い空に目を見開くソラ。うわー、夢を見てるみたい!…そうだな。
ソラ、あの問題の答えを教えてくれないか。名前が「レ」の星だよ。散々研究してきたけど、答えが見付からないんだ。
答えは、流れ星。ながれぼし。名が「レ」星。
…なぞなぞ?そうだよ。俺の50年はなんだったんだ!?50年!?
鏡を見せられてショックを受けるソラ。50年返せよー!!!
お芝居終了。盛大な拍手に迎えられる2人。
実はお芝居エンディングの曲、バンプ・オブ・チキン「天体観測」はピク兄の提案。演出の福田さんは坂本教授で揃えていたが、ここだけ違う。本当は歌いたかった!
前回のピクとジョーからかなり間が開いてしまった。その間にピクニック50回記念公演があったり、シューさんの単独があったり。
そして夜のピクとジョー、オールナイトライブが決定。酒を飲むとどうなるか、お互いは知っているので牽制する2人。ピク兄は下ネタ全開になるらしい。シューさんは愚痴が酷くなる。2人のユニット名カフェオレにちなんで、オリジナルカクテルも用意されるとか。
夜があるなら朝があってもいいんじゃないか?
朝のピクとジョーは神保町花月近くの公演でラジオ体操。シューさんがお手本、ピク兄はスタンプ係。朝6時から毎日。撮影アリ。自由参加で終わったら即解散。太極拳でもいいかも?
朝のピクとジョーで盛り上がるピク兄。引くシューさん。
やはり2人芝居は良いね。本公演はまだですか。
長内脚本は泣かせるよねー!50年寝たきりでいきなり動けるか!という非現実的な部分がどうでも良くなるストーリー。50年後のシューさんの動きがゆっくりで、今まで荒々しい青年の動きだったのが、そこだけで年月を感じさせて感動した。役者だ。16歳ピク兄も良いね。32歳、まだまだ可愛いね。無邪気で儚くて暴走しがちな子どもがピッタリだった。
福田さんの演出も美しい。ピク兄の姿がわずかに見える程度の一面の星空、綺麗だったなぁ。オープニング映像もカッコイイ。モノクロの2人が持つ蒼い球。無駄にカッコイイと本人たちが言うだけあるわ。素敵すぎる。
半年に一度の芝居公演、やはり良いなぁ。2人の作家先生が素晴らしいし、ピクとジョーももちろん素晴らしい。
次のピクジョーはユニットネタ大掃除らしい。これも見に行きたい。