神保町花月「夏だから。夏こそは。夏なのに。」

@神保町花月 16:00 C14

7期班千秋楽も終わったので、ネタバレ感想と自分のための時系列まとめ。

不動産屋社長の浅野(桑原)が、家賃を滞納する部屋の住人に、市役所から取り壊しを迫られている『幽霊屋敷』に住むよう命令。
売れないカメラマン・鈴木(竹内)、元ホストのギャンブラー・鷹山(小林)、チャットばかりのニート・青峰(長谷川)、病気がちな女性・夏子(若尾)の4人で幽霊屋敷に住み始める。
偵察にやってきた浅野の部下・前田(伊藤)が、夏子とともにいた怪しい爺さん(田中)を捕まえようとするが逃げられる。
【1週間後】
市役所職員・安藤(福田)が浅野の不動産屋を訪れ幽霊屋敷の取り壊しを要求。15年間空き家だった幽霊屋敷に住人がいることを聞かされる。
安藤が出て行くと、鈴木の友人である探偵・小田(ジェントル)が浅野の部屋に入ってくる。安藤を調べることに。
青峰のチャット仲間であるガブリエル(杉田)がミカエル(青峰のチャットネーム)に会いにやってくる。絶対怪しい、と心配する鈴木。
幽霊屋敷に安藤がやってくる。鈴木に100万で立ち退くよう交渉。夏子との生活と100万を天秤にかけて悩む鈴木。
ガブリエルが爆弾を体に巻き、青峰を羽交い締めにして一緒に素晴らしい世界に行こうと叫ぶ。茶番だと呆れた安藤が帰っていく。
帰ってきた夏子がガブリエルを殴り、簡単に死ぬとか言うな!と説教。ガブリエルが気絶し危機を脱したかと思われたが、時限装置が起動。帰ってきた鷹山に、爆弾解除のための線の色を選択させる。
【少し後】
小田が安藤を調べた結果、婿養子に入る前の旧姓が葉山だと判明。葉山という名に反応する浅野。
安藤が浅野の考えを変えるため、1冊の日記を持ってくる。
【1ヶ月後】
安藤が幽霊屋敷にやってきて、浅野の了承を得たので3日後に退去するよう住人に要求。
【回想・1週間後】
鷹山が夏子を連れて祭りに来ている。告白するが、夏子は好きな人がいると断る。鷹山には好きでいてくれる女性・渚(広瀬)がいるから大切にしろと言い残し帰っていく。鷹山は、入れ替わりでやってきた渚を祭りに誘う。親に会わせると気の早い渚に親の職業を聞くと、恐山のイタコだと言う。俄然興味を示す鷹山。
【回想・1ヶ月後】
青峰がガブリエルと再び会っている。爆弾事件の後、彼は花火職人になっていた。本名を内海と名乗ったガブリエルから、お手製の花火を受け取る青峰。呼び出していた夏子とともに花火をする。素直に告白できた青峰は、どもらずに喋れるようになっていた。
【退去勧告後】
幽霊屋敷にやってきた小田には夏子の姿が見えていなかった。浅野から、夏子について聞いてきたと言う。本名、葉山夏子。15年前までこの幽霊屋敷の住人で、病気が原因で25歳の若さで亡くなっている。浅野の婚約者だった。
逃げ出す夏子を追いかける鈴木。幽霊でも好きだと告白するが、好きな人がいると振られてしまう。2人を探しに来た鷹山と青峰とともに、写真を撮った。
【退去後】
出て行った3人と入れ違いに浅野が幽霊屋敷にやってくる。夏子は浅野に会うために毎年この家に戻ってきていた。自分を忘れて幸せになるように言うが、絶対に忘れないと断言する浅野。思い残すことがなくなった夏子は、「もう時間じゃ」という声に光の向こうへ消えていく。日記を抱えて笑い出す浅野。
前田はいつのまにか仲良くなった怪しい爺さんが神様だということに驚いていた。幽霊と一緒にいるという神様に、自分も見たいと言う。しかし幽霊を見る条件は『霊感の強いイタコの家系』か『童貞』だと知りガッカリする。小4で見えなくなったようだ。
鷹山が女性経験豊富だと青峰に自慢しているが、鈴木に実は童貞ではないかと言われ動揺。おまえこそ、と言い返された鈴木も動揺。青峰はアッサリ童貞ですよ、と言い切る。
【その後】
みんなで撮った写真には、幽霊の夏子もちゃんと写っていた。世界一綺麗な心霊写真だと鈴木は言う。青峰が撮った2枚目には、何故か神様の姿まで写っていた。

渚が最初に幽霊屋敷に来たとき寒いと言っていたこと、渚の親がイタコだということ、2度目に登場したガブリエルが夏子に気付かなかったこと、安藤が幽霊屋敷に来たとき夏子が部屋の片隅にさりげなく逃げたこと、すべてが“夏子が幽霊”だということへの伏線だった。2度目に見たときこの辺りに気付いてゾワッと来た。
そして今日の公演では、夏子の「はい、ご苦労さん」というセリフが冒頭に追加されていた。これは浅野の口癖。こんなところでも繋がりを見せる演出を追加するだなんて、素敵な公演だわ。
そこで素朴な疑問。
浅野に夏子が見えたのは、童貞だから?15年前に夏子25歳、てことは浅野は今40歳前後?…愛の力ということにしておきたい。
夏子の弟である安藤は何故あの家を壊したがった?姉を思い続ける浅野への嫉妬?これは未だに謎。
上記の謎については桑原さんからツイッターで回答をもらった

トレンディドラマを意識したと原案の福田さんは言っていたけど、脚本でおそらく桑原さんの趣味が入ったんじゃないだろうか。サスペンスとか、ちょっとゾワッとするような展開が好きそう。恋愛ドラマとか全然見ない私でも、とても楽しめたストーリー。
演出でも、停電後に不気味な人物が立っているとか、怪しい爺さんの登場時には怪しげなBGMがかかるとか、コメディの王道って感じの展開が多くてニヤニヤする。
鷹山と青峰の過去の回想と、本筋の繋がりがちゃんと見えたときは嬉しかった。爆弾事件の裏側で鷹山は夏子と祭りを楽しんでたんだとか、安藤の退去勧告の裏側で青峰は夏子と花火してたんだとか。

今回は探偵のジェンさんがカッコ良かったなぁ。赤いワイシャツに黒い皮パン、黒いハット。探偵物語?友達の鈴木を心配して怒鳴るシーン、特にカッコ良かったよ!
そして伊藤ちゃん。挨拶も間違えるほどの天然系コワモテチンピラ。でもジュースおごってくれるから社長は好き。社長に嫌われないかいつも心配してる。なんかもごもご喋ってる。なんなのそのキャラ作り!田中さんとの攻防が可愛かった。
コバがド痛いカッコ付けキャラで楽しかった!マイホームの本当にカッコイイ役もいいんだけど、今回みたいな勘違いキャラの方が好きだなー。ところでシェケナって何?
長谷川さんの眉毛がどんどん太くなっていたこと、左手首に時計やら手の跡やら描いていたのを見逃さなかったぞ。
桑原さん、脚本家の特権で良いシーン入れてたねぇ。素晴らしいスタイルにスーツがお似合いで、良い声だし、やっぱりカッコ良かった!
福田さん全然出番なかったし真面目な役だったけど、原案先生はあれで良かったのかな。傍観者として楽しみたかったんだろうか。LLRファンはちょっと不満だったんじゃなかろうか。

7期全体が目当てだった私は大満足!もっと見ても良かったかなぁ。やはり同期公演は楽しいね♪
9期公演も控えてるし、神保町の楽しみは多いわ。

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