クレオパトラ単独ライブ「色彩オーケストラ」

@北沢タウンホール 19:00 SA13

神保町花月で2人の脚本や演技を見て、ずっと気になっていた。芝居がかったコントが好きな私としては、何故今までチェックしていなかったのか不思議なくらいツボな2人。
同郷ということもあってか、彼らのトークを聞いてるとなんだか落ち着く。2人とも良い声なのもあると思うけど。単独祭りの中で、一番楽しみにしていた公演かもしれない。
前説はボヨンボヨン。ヨーヨー芸人だそうで…本当に上手い。これは良いものを見た。

白いワイシャツ、白いズボン、白い靴。色の無くなった世界で、桑原さんは本を読んでいる。活字から、色のある世界を想像しているのだと言う。
白いシルクハット、白いタキシード、白いワイシャツ、白いズボン、白い靴。桑原さんの周りで、何かを探し回っている長谷川さん。色が無いと困ると言う。
色とりどりの美しい景色が次々に映し出されるオープニング映像。美しい。

白地に絵の具を撒いたようなスクリーンにコントタイトルが映し出される。
鮮やかな風景を連想させるようなコント、迷路のような不思議な作りのコント、それだけ!?と言いたくなるような秒単位のコント、悲鳴のあがる恐ろしい展開のコント、桑原さんが歌いまくるコント、あるあるマンガ劇場、そしてお芝居のようなホロリとするコント。
映像は、長谷川さんが桑原さんの家に遊びに行って夏を満喫するというもの。綺麗に片付いた室内で花火やスイカ割りを始める長谷川さん。困る桑原さんを見て大爆笑。なんだかんだで楽しそうに笑ってる2人。逃げるルフィ。みんなまとめて可愛いよ。

そしてすべてのコントが終わり、最後の演出。
再び色の無い世界。長谷川さんがついに探し物を見付けた。探し物は、タクト。
桑原さんが座っていた椅子の上に立ち上がり、タクトを振る。華やかな音楽、鮮やかな照明とともに、客席に色とりどりの風船が降りそそぐ。世界に、色が戻った。
何者なんだと問われた長谷川さんは答える。
「色彩オーケストラ」
動きを止めた長谷川さん。舞台に降りそそぐ白い紙吹雪。桑原さんの顔に、笑顔が戻った。

紙吹雪の中に佇む長谷川さんの姿がとても綺麗だった。ちょっと泣きそうになった。桑原さんの立ち姿と声も綺麗だし、絵になる2人だ。
エンディング映像は、白黒の地球をバックにスタッフロール。文字が終わったところで、地球に色が戻る。差し込む太陽の光。
美しい!私の大好きな鮮やかな世界観、もう大満足です!

最後の最後に、漫才を1本。今までにやったコントもネタに織り込みつつ、花火で締め。
単独じゃないと出来ないようなネタや演出がたくさん散りばめられていて、見に来て良かったと思える公演だった。衣装は白一色で、女装のための衣装や小道具までもが白かった。
怖いコントライブで言っていた、1本だけ作った怖いネタ、本当に怖かったよ!桑原さんの女装に悲鳴があがり、桑原さんにべったり甘える長谷川さんに悲鳴があがり、オチの展開にも悲鳴があがった。あの短時間で3種類の悲鳴をあげさせるなんて…。
一番印象に残ってるのは、1人旅ペンション殺人事件かな。徐々に噛み合ってクロスして元に戻るという不思議な展開。小説を読んだ気分。音響トラブルで最初からやり直してたけど、これはもう一度見たい。
彼らのネタ、マンガや小説やゲームのようなものが多くて楽しい。2人の好きなものを反映させたらああなるんだろうな。勇者と戦士のネタも良かったなぁ。アラフォー刑事も好きだ。80年代のドラマのよう。
そして何より、演技が上手い。彼らお得意のわざとらしいアニメ風の演技から、自然な演技への切り替えが見事だと思う。桑原さんの低音の声は安心感あるし、長谷川さんの高めの優しい声は落ち着くよ。
エンディングトークの後に、桑原さんとルフィが戯れる映像を延々と流す。しばらく見ていたら、長谷川さんがじっと見ている姿が映ったw1人と1匹に水飲み場の水を飛ばして遊ぶ長谷川さん。逃げるルフィ。追う桑原さん。微笑ましい。可愛い。
帰りに過去の単独Tシャツのイラストをポストカードにしたものをランダム配布。線画が繊細でちょっと不気味で美しい。

映像が終わって、客電が点いて、最初に思ったことは「綺麗だった」。そのくらい、色彩をテーマにした演出に感動してしまった。こんな単独は初めて見た。
2人がブログやツイッターで、損はさせないと散々言っていた意味がわかった。この世界観、好きな人はどっぷりハマってしまう。
今まで行かなかったのがもったいない。次の単独も絶対見に行くよ!

コメント

  1. めぐみ より:

    お久しぶりです!
    私も初めて行ったのですがレイコのコントで泣いちゃい、それからもずっと半泣き状態でした(笑)
    私は地味に花火のネタが好きです。友達って感じがして。
    桑原さんが歌ってたやつのタイトルってなんでしたっけ?それだけ忘れてしまいまして、覚えてましたら教えてくれませんか?
    思い出し笑いではなく思い出し泣きしてしまいます。クレパトークに行けないのが凄い悔しいです!

    1. ナオミ より:

      レイコ良かったですよね!私もあれでウルウル来て、紙吹雪のシーンで泣きそうでした。
      花火のネタ、最初のですよね?あれも良かったー。普段の彼らみたいな雰囲気でしたね。
      桑原さんが歌ってたネタ、マタギがタカを撃つヤツですよねぇ。タイトルまでは覚えてないです…。
      クレパトークは悩んでます。グランジ単独とどちらを取るか…!

  2. より:

    初めまして。ちょこちょこ覗かせてもらっている者です。
    LLRが大好きなので、7期つながりでクレパトのお二人をよく観ていました(パソコンからですが・・・)が、正直そんなにチェックしてませんで、ネタもアゲで一度観ただけでした。
    今ブログを読ませて頂き、率直に「・・・行ってみたい!!! ぜひ!」という思いです。
    文章から、その場の風景、音楽、空気までもが伝わってくるようで、今までノーマークでいたのが悔やまれます。
    東京は遠いので、年に1、2度しか行けません。これというものを厳選して観に行きます。今度はクレパトさんの単独もその中に入れたいな~と思いました。

    1. ナオミ より:

      私もネタはまあまあ好きという程度だったのですが、神保町花月で何度か脚本作品を見ているうちに、彼らだけの世界を見たくなって単独に行きました。
      面白くて美しくて、ラストのあたりはホント感動で泣きそうでした。毎年単独はやると思うので、来年は是非!

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