神保町花月「紅十 in 1990」

@神保町花月 16:00 B3

千秋楽終演。#1と同じように、登場人物中心にまとめてみましょう。20年前のお話。

■白州紅子(武内)
渋谷でスカウトされた18歳の新人女優。口うるさいマネージャーとうぬぼれ野郎の市之介が嫌い。同じ新人の三上や目白とは気楽に愚痴を言い合える仲。市之介とのキスシーン後に「最初は好きな人としたかった」と泣いていたところ、市之介の「俺のこと好きになればいいじゃん。好き同士なら別にいいだろ」という一言がキッカケで付き合うことに。スタジオで拾った市之介の衣装のボタンを持っている。

■三上勘三郎(じろう)
ROKKOの下で働く見習い。ドジでいつも怒られている。紅子に付き合って愚痴を言ったり、迷子の目白を助けたり、優しい一面も。実はオカマ。それを見抜いたのは紅子だけだった。ROKKOに追い出されたとき、紅子にマネージャーになってくれと懇願され転職。

■目白守(忍)
紅子と同じく18歳の新人俳優。3歳から劇団にいるが、あがり症でオーディションに受からず死体役しかもらえない。テレビ局で迷子になる方向音痴。紅子に想いを寄せるが、いつも良いところで市之介に持っていかれる。

■村崎市之介(椎橋)
18歳のホリイプロ期待の新人。殺陣が得意な自信家で、態度は悪いが演技に対しては真剣。侍ライダーになりたくて芸能界に入った。紅子に一目惚れしたらしい。キスシーンの後に泣く紅子を元気付けるため、マネージャーに頼んでティラミスを用意してもらっていた。紅子にプロポーズし、10年後に結婚すると約束をする。後に念願の侍ライダーの主役を射止める。

■灰谷和人(佐藤)
テレビ局長の息子。18歳の紅子をオバサンと言い切るロリコン。脳外科医を目指していたが交通事故に遭い挫折。酒を飲んでばかりでフラフラしている。脳外科医を諦め精神科医になった。

■黒川良太(小川)
紅子のマネージャー。売れるためならキスでも裸でもやれと厳しいが、紅子を傷付けようとする者に対しては怒り狂う。紅子のマネージャーを辞め、雑誌記者に転職。

■青山公次(黒沼)
市之介主演の「渡る世間は愛ばかり」を企画したプロデューサー。青いスーツに金のネックレスで、夜遊びは激しいが仕事には厳しい。後にジョニーズ事務所を設立。

■栗山健(宮川)
青山の下で働くAD。担当ディレクターが急病のため、急遽ディレクターを務めることになった。5歳の息子の健一を溺愛していて、常に写真を持ち歩いている。紅子のキスシーンでは、嫌がる紅子の気持ちを尊重したいと青山に意見した。

■ROKKO木島(久松)
オカマのメイク担当。仕事には厳しいがウワサ好きで、灰谷の動向にも何故か詳しい。いつも三上を怒っていたが、厳しい自分の下で働くより、もっと良い場所があると辞めさせる。海鳥が大好きで、渡米した彼を追って自らも渡米。

■海鳥サトシ(向坂)
衣装担当。ハリウッドで働きたいと考え、英会話に通っている。妙な発音の英語と、キシシという笑い方が特徴。紅子を気に入り、共演者の市之介に厳しい態度を取る。ROKKOに付きまとわれ迷惑そうだが、強く拒絶しているわけではないようだ。念願の渡米を果たす。

■ラジュ・ゴールドマン(西木)
インド人幽霊役としてブッキングされたが、父はアメリカ人、母は日本人、おばあちゃんがインド人という青年。いつも空回りしていて、みんなが寄ってくるようにと芸能界に入ったが、そこでも空回り。灰谷と意気投合し、悩みを打ち明けた。後にインドに永住。

「渡る世間は愛ばかり」の撮影から10年後、三上はみかんとして紅子のマネージャーとなっていた。紅子とみかんは、最近元気のない栗山を励ますため鍋パーティを企画する。その直後、栗山から紅子へ、今から自殺するという電話が入る。市之介とのデートをすっぽかして栗山の下へ向かった紅子は、路上で栗山を抱き締め慰めているところを雑誌記者に撮られてしまう。
雑誌を見た市之介に詰め寄られるが、栗山から聞いた話を秘密にするため、何も言い訳せずに黙る紅子。市之介は紅子に別れを告げた。
栗山は、紅子とのスキャンダルをでっち上げる代わりに、雑誌記者に転向した黒川から300万を受け取っていた。思い悩む栗山に、「金が欲しかったんだろ?それ持って行ってこい」と立ち去る黒川。

1990年、若者たちの甘酸っぱい恋愛風景から一転。2000年、栗山と紅子の不倫疑惑、市之介と紅子の別れ、黒川と栗山の取引、振り切れる紅子。#3への伏線を残したまま終了。
オープニング映像は、2010年から20年分を遡る出来事を映し出す。1990年ってスラムダンクの連載が始まった年なのか…。
2000年への時間経過も映像。紅子とみかんのツーショット、侍ライダーの市之介、灰谷の精神科医としての開業、青山のジョニーズ設立、ラジュのインド永住、海鳥の渡米、ROKKOの渡米、黒川の雑誌記者転向、目白の死体役。栗山以外の登場人物のその後が垣間見えたところでの、衝撃的な2000年。良い演出だわー。
開演時には渡辺美里のサマータイムブルース、2000年の挿入曲にはGO!GO!7188のC7。ちゃんと時代に沿ったBGMで泣きそうだ。その割りにGOING UNDER GROUNDが使われてたりして疑問だけど。懐メロで揃えてるわけではないのね。

主要5人と栗山は予想通りだったけど、ROKKO役を久松さんがやるとは思ってなかった。そういえばキティはROKKOさんの真似ばかりとみかんに怒られてたんだっけ。衣装も似ていた。今回は声が枯れることもなく、すっかりオカマが板について素晴らしい。千秋楽は海鳥ちゃんにキスまでしてた。してやったりな悪い顔見たよー!ビックリして向坂さんがセリフ言えなくなってたじゃないかw
ボイフレのキャラ作りは凄いな!我々が想像する業界人丸出しの青山と、気弱な栗山のやり取りは何度でも笑える。嬉しそうに子どもの写真を出すくだり、既婚者ならではだね。
三上の濡れ軍手と乾き板もずっと貫いてたな…。千秋楽はついに実体化。三上の挙動不審には、ROKKO先生も笑いを抑え切れなかったようだ。
黒川ちゃんも良い役だったなぁ。嫌なヤツかと思えば、紅子に絡む灰谷に食って掛かったりして優しい。誠実さと厳しさがちゃんと見えてて良かった。紅十ですっかり小川さんにハマったわー。
市之介は子どもっぽい可愛らしさと生意気さが両立してて良かった。夕暮れのプロポーズのシーンは綺麗だったなぁ。10年後の泣きそうな怒り方も真に迫ってた。
灰谷もタダの呑んだくれじゃなくて、影のある悩み多き青年って感じでカッコ良かった。キッチリ芝居すれば素敵なのに、どうしてもボケたくなるのねぇ。ニヤニヤしながら見守るから別に構わないんだけど!

#3はいつの時代になるんだろう。2000年の続きから始まるのだろうか。栗山の動向も気になるけど、渡米した2人も気になるよw
来月で終わってしまう。しっかり見てこないとね。

[C7 – GO!GO!7188]

コメント

  1. 翌檜 より:

    来月は2012年の設定ですよ。
    確か先月の千秋楽のブログに書いてありました。
    「紅十」は現在編・過去編・未来編の三部作構成になっているそうです。
    でも2000年や1990年のエピソードはきっとまた出てきますよね。
    まさか今回途中から一気に2000年になるとは思いませんでした。ただただ衝撃でした。

    そして、次回は1990年から一気に2012年へ。
    ヒロイン白州紅子、18歳から一気に40歳へ。
    1990~2012年と、ひとつの年代記のような物語や世界観になっているのも、三ヶ月公演ならではですね。

    今回の演出は白坂さん。脚本は丸山さんのままだから、「インコンプリートボーイズ」と同じ組み合わせ。
    オープニングの作りも似ていました。ちょっと懐かしい。
    ボーイフレンド・少年感覚・あわよくばの三組は「インコンプリートボーイズ」からずっと観ていたので、超若手の成長振りを見られるのも一つの楽しみでした。

    考えてみれば、この3組は今年6ヶ月近く神保町の舞台に立ち続けている事になる。なんだか凄い。
    特に少年感覚はコント師だから、今後の神保町を担っていく可能性も十分高いと思います。

  2. 翌檜 より:

    この前はいきなりコメントしてすみませんでした。驚かせてしまいましたか?(何も反応がなかったもので…)

    「乾き板」と「湿り軍手」はもはや出演者の域でしたね。
    ちなみに、殺陣の相手は佐藤さんと久松さんだったそうです。
    ところで初日の記事に「西木さんの役も前回からの伏線要員」と書いてありましたが、前回何か伏線ありましたっけ?その辺りはうろ覚えです…。

    結構神保町花月に行ってるんですね。
    やっぱり同じ公演でも少しずつ変わっていくものなんですか?

    それから気になったんですが、公演を観に行く条件や、同じ公演を観る回数の基準っていうのは、あるんですか?

    ブログを遡ってみたら、「紅十」は観に行きましたが、「インコンプリートボーイズ」は観ていないようですね?
    実は、久松さんの名言「大丈夫でーす」は、
    ボーイフレンド・少年感覚・あわよくばが座長を務めた「インコンプリートボーイズ」の頃からありました。
    (ちなみに久松さんはオカマ役ではなかった)
    次回も聞けるのか気になるところ。

    1. ナオミ より:

      西木さんのインド人幽霊役、前作の市之介の発言に出てきてるんです。デビュー作で紅子がインド人幽霊に向かって「このカレー野郎!」と言った、と懐かしんでましたよ。
      見に行く条件は単純です。好きな芸人さんが出てるかどうか。あとは脚本とか演出で過去に好みだった人の作品は、好きな芸人さんが出てなくても見に行くこともあります。
      紅十シリーズは御茶ファンなので見に行ってるのです!
      同じ公演でも、芸人さんなのでボケを足してきますよ。初日と千秋楽ではかなり違うことも多いです。

  3. 翌檜 より:

    ああ、なるほど!言われてみれば確かにそんな台詞ありましたね!そういう事か、やっと思い出しました。
    西木さんは「インコンプリートボーイズ」の頃から毎回出オチ要素が強いというか、衣装が派手な物ばかりのような気がする。(ハーフだから?)
    というか、神保町花月の公演で普通の衣装・役どころな西木さんを見た事がない。
    (確かチャレンジ公演「CAKE」ではゲイと付き合っている次男役だった)
    おそらく次回も派手な衣装なのだろう。紅十におけるイメージカラーは金色だから。

    そして「紅十 Final」は2012年が舞台。
    という事は、武内さん・しいはしさん・長谷川さんの役は18歳から一気に40歳に。
    佐藤さんに至っては47歳!更に老け込みそう。(本人の実年齢は「in 1990」の方が近いらしい)
    今までの謎や伏線はどうなるのか?
    宮川さん演じる栗山は意外と重要な役どころなのか?
    最終的に紅子は誰と結ばれるのか?
    そして久松さんはまたオカマ役なのか?
    色々な意味で気になってしまう。
    Finalが楽しみですね。演出にも期待大。

    やっぱり観に行く基準は好きなキャスト・スタッフ関係ですか。御茶ノ水男子が好きなんですね。
    「紅十」は「インコンプリートボーイズ」の座長3組が出る事を知って、観る事にしました。
    「インコンプリートボーイズ」は超若手が座長を務めるという事で少し気になり(もともと3組とも少し興味があったので)、結局全部見てしまいました。
    キャストが全員超若手というだけあって、とてもフレッシュな青春ストーリーでしたよ。キャラも立っていたし、見せ場も多くて楽しかったです。
    ボーイフレンド・少年感覚・あわよくばの3組は個人的に有望株だと思っています。

    長々と失礼しました。

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