神保町花月「乙女心に死す」

@神保町花月 19:00 C8

クニに乾杯から派生したサイレント公演、千秋楽。

金髪の少年(椎橋)が立っていると、メガネの少女(坂口)が手を掴み走り去っていく。

おじさんたちが遊んでいる。サッカーを勧めるおじさん(ディエゴ)と野球を勧めるおじさん(水上)。サッカーで遊び始めるおじさんたち(ティ/生いっちょう/しんじ)に悔しがる野球好きなおじさん。近くにある鳥居に向かって捧げ物をすると願いが叶う。運送屋の社長(坂本)は野球好きなおじさんに2千円を渡し配達を依頼する。

クラスのいじめられっ子の少女(坂口)を助けられなくて思い悩む金髪の少年(椎橋)。座布団を殴って悔しがる少年を見守る母(関)。いじめっ子の番長(金成)と子分たち(菊池/熊谷)は影の首謀者の少女(阿部)の言いなり。
いじめられっ子の少女が鳥居に飛び込みそうになるのを止めた金髪の少年は、鳥居の向こうに落ちてしまった。そこで闇住人に出会う。白塗りのボス(チャド)、毒を操るバブルマン(春日)、炎を操るヒートマン(修人)、ナイフを操るメタルマン(VEGA)、植物を操るウッドマン(福島)。
金髪の少年が十字架を掲げると、闇住人たちが現れいじめっ子を苦しめる。しかし翌日には普通に登校しているいじめっ子たち。いじめを止めようとしたメガネの少年(佐藤)を脅し、いじめに加担させる。

いじめられっ子の少女は金髪の少年を連れ出しデートに出かけた。花を買ったりクレープを買ったり。夕方になるといじめっ子たちが現れる。闇住人たちを呼び出す金髪の少年。しかし少女はそれを止め、自分の力でいじめっ子の少女から千円を奪い返した。大喜びの金髪の少年と闇住人たち。親指を立てて別れる少年と少女。車のブレーキ音。ドンッという衝突音。
土下座する運送屋の社長、少女の遺影を持って泣き叫ぶ母。

少女がポスターを鳥居の向こうに落としてしまう。
映画を見終わった少女は、入り口に貼られていた映画のポスターを奪い去る。
座布団を殴って悔しがる少女を見守る母。
映画スター(椎橋)にサインをねだるいじめっ子たち。しかし無下に断られてしまう。ポスターを広げている少女にサインを書く映画スター。
いじめられっ子の少女は映画スターの写真立てを持って出かけた。花を買ったりクレープを買ったり。
いじめっ子たちに勝った少女は、写真立てに向かって親指を立てる。

少年の代わりに鳥居の向こうに落ちてしまった野球好きなおじさん。サッカーで遊んでいる闇住人たちを殴り野球をやらせる。
落ちてきたポスターを打ち返すと、少女がポスターを取る。
映画スターにサインをもらった少女を羨ましがり、鳥居から出てくるおじさんと闇住人たち。追われる少女。
ロックマン(ゲスト)が登場し、闇住人たちを懲らしめる。大きな箱を野球好きなおじさんにプレゼント。おじさんが箱を開けると、強烈な光とともに爆発音。
おじさんの首が転がっている。怯える少女を無視してロックマンは鳥居の中へ帰っていった。
頭蓋骨が転がっている。一輪の花が咲いていた。

セリフ一切無し、ひたすら出演者の表情を追いかけた公演。見ていくうちにBGMの切り替わりでどんな場面かわかるようになったり、彼らが何を想ってるのか伝わるようになったり。いやはや、凄いな!
椎橋さんの表情が素晴らしすぎた。キメ顔が上手いんだ。坂口さんの泣きそうなのを我慢してる演技も良かった。ずっと悲しそうな2人のデートシーンはほっこり。
序盤の方で椎橋さんの姿が誰にも見えてないのでは?と気付き、後半ですべてがいじめられっ子の少女の妄想だとわかって切なかった。
大柄ないじめっ子に囲まれて脅され怯える佐藤さんの姿が可愛かったなぁ。ガリ勉な感じのメガネでオドオドしてて、悪役やチャラい役が多いけどああいう役もちゃんとできるのが凄い。
闇住人の悪役っぷりが最高だったよ!白塗りチャドさんが紳士で良かった。所作が美しいね。緑顔とガスマスクな春日さん素敵。黒蟻2人のメイクの完成度が高すぎた。自分たちでやったのかな?写真でもう一度見たい。
闇住人にやられるいじめっ子たちのシーン、VEGAさんに首を刺されまくる菊池さんの死に顔がうつろで素晴らしかった。瞬きしてなかったね。福島さんに首を絞められる金成さんは頑張ってたけどなんだか茶番のニオイがw
BGM一覧が映像に出たけど、戦場のメリークリスマスのバリエーションが多い。そんなにカバーされてるのか!8月4日B級劇場という曲がストーリーと千秋楽の日付にピッタリで素晴らしい。これのために土曜日千秋楽だったのだろうか。クニさんの選曲が素敵。
終演後に詳細が書かれたカラーパンフレットをもらった。サイレントでわかりにくいところもあったので、これはありがたい。
挑戦的な公演、良かった!たまにはこんな公演もやって欲しいね!

[8月4日B級劇場 – ワタナベマモル&ザ・ヒコーキーズ]

コメント

  1. ひら より:

    いたこっこあたりから、ちょいちょい拝見させていただいてました。
    ROMっててごめんなさい(笑)

    私はこのお芝居、筆者様ほどすんなり理解できていませんでして
    (妄想なのか死んだ彼なのか。ポスターなんだ?あ、あれ映画館なの?みたいなw)
    いつも長いお芝居をここにわかりやすく要約されているお力なんだと
    妙に納得して、コメントするに至ってます。

    坂口さんが撥ねられるところは、あそこ込で妄想なのですかね?

  2. ひら より:

    ああ、そして、私もハッピーネガティブボーイフルに関しては
    大した感情湧きませんでした。
    周りが「演劇だ」と大絶賛だっただけに、なんとも期待はずれでして。
    女優さんは好きだったんですけども。
    本当に、価値観の差ですね。

    筆者様の綴るお言葉、とても好きです。
    感情表現、というと違いますかね。でも、とても。

    1. ナオミ より:

      長文お読みいただきありがとうございます!
      映画館は貼られているポスターで判断しました。椎橋さんの役、最初は幽霊?と思ってたんですけどね。
      パラレルワールドのように世界がいくつもあるのかな?と思ってます。楽屋裏ブログに真相が載ると良いのですが。

      私の趣味がSFアクションホラー家族愛なので、それ以外のストーリーについては評価が低くなりがちです。
      みんなが絶賛してると自分がおかしいのかと思っちゃいますけど、人それぞれですもんね。

ひら へ返信する コメントをキャンセル

*