暮羽喜ネマ館 第三回公演~足立区のセミ喰い男~

@池袋GEKIBA 19:00

1日クレオパトラ×ジャパネーズ、3公演目。

開演前、祭り囃子が聞こえる中、犬のぬいぐるみを愛でるベニー・Jが舞台へ登場。客席を睨んで去っていく。

「足立区のセミ喰い男」作・水無月雨天
セミの鳴き声。狐の面を被った蝶ネクタイの男、通りゃんせ唱歌。賽の河原の物語。
女中と恋に落ち出産直後にセミ博士が失踪。博士がいないとセミの寿命がわからない。夏の終わりがわからない。博士は夏の終わりが恐ろしくなりセミをすべて始末した。そして捨てられた赤子。セミ喰い男が喰い尽くしてしまうから、セミは1週間の命なのです。
蝶ネクタイの男が拡声器片手にやってくる。奇人変人をご紹介いたします!
水無月雨天…長谷川(学生服)
ベニー・J…桑原(日本兵)
夢見太郎…アチャ(和服に山高帽)
白雀…モネ(蝶ネクタイに半ズボン)
賞レース対策新ネタライブ、スタート!!!

「千里眼」作・ベニー・J
時は明治。チヅコという女性が持つ不思議な力、千里眼。記者を呼んだ公開透視実験が行われた。
チヅコ(白雀)が中央に座り、フクライ(水無月雨天)が用意した封筒の中身を透視する。答えを耳打ちしたり、同じものを用意していたり。記者(夢見太郎)は疑いの目を向ける。千里眼なんて嘘っぱちや!泣き出すチヅコ。フクライに連れられ去っていく。
その後、不思議な力を持つものが何人も現れたが、その真偽は不明である。
ナレーションのベニー・Jが、影マイクで中島みゆきの「糸」を熱唱。
早く現代に帰りたい…。記者は呟く。戦争ヤダなぁ。

「蟲」作・夢見太郎
お父様、愛していますわ。父(ベニー・J)と娘(白雀)は禁断の関係。もうやめよう、という父。応じない娘。あの夜、私を女にしてくださったでしょ。
母さんに知られたら、チェーンソーで追いかけられる。テキサス女の母さんといえばチェーンソーだ。母(水無月雨天)が夕飯の準備にやってくる。父と娘のキスシーンを目撃し激怒。
縁切り蟲(夢見太郎)が手斧を持ってやってくる。家族の縁を切って差し上げよう!
父と娘の縁を切る。あれ?縁が切れた途端、醒める娘。禁断の関係だったから燃えたのよ。戸惑う父。
これだけじゃないぞ!縁切り蟲は夫婦の縁も切る。なんでこいつに固執してたんだろう?と不思議がる母。
3人の中央には、蟲。あら、蟲だわ。殺虫剤持ってこなきゃ。娘が縁切り蟲に向かって殺虫剤を吹き掛ける。虫の居所が悪い!老人と子供のポルカ。
動かなくなる縁切り蟲。死後硬直だ!

「臨床」作・白雀
犬のぬいぐるみで遊んでいる《無邪気》(白雀)、まどろっこしい言い方しかできない《憂》(水無月雨天)、ビビりまくりの《怯》(ベニー・J)、苛々が止まらない《怒》(夢見太郎)。
この人の中には4つの感情しか残っていない。他の感情は始末した。転がって遊んでいる《無邪気》。
4つの感情だけがあればいいという《怒》に、本当に4つだけで日常が送れるか実証。《怒》と《無邪気》で転校初日コント。
《無邪気》が《憂》を刺殺。あれ~?なんで刺しちゃったんだろう?突然動けなくなる《怒》、そのまま倒れる。
――ご臨終です。おじいちゃん!最後は無邪気な笑顔で逝きましたよ。

「ポプラの木の陰から」作・水無月雨天
大きなポプラの木がある学校の用務員だった男(水無月雨天)が、元生徒(白雀)の家に突然現れた。用務員のことを覚えていない元生徒。警察を呼ぼうとするも、知らない人が家に来たのにさらに知らない人を呼ぶのか!?と問われ戸惑う。
阿片をやっている用務員。阿片は味噌汁と一緒。白雀のツッコミスキルを試すんですよ!受けて立ちますよ!
ヤンキーの兄(ベニー・J)を呼ぶ元生徒。しかし兄はすぐに用務員に倒されてしまう。
私はずっと貴方を性的な目で見ていたのですよ。犯させなさい。嫌ですよ!!!
おじいちゃん(夢見太郎)が帰ってくるも、やはりすぐに用務員に倒されてしまう。
僕も死ぬね!と、自分の首を折って自殺する用務員。
…片付けんのダル!

「蟬男」作・白雀
ランニング姿の男(夢見太郎)が佇んでいる。私はセミだ。産まれた瞬間から人ではなかった。光を知らぬまま大人になってしまった。私にとってはここがすべてだ。
仲間(白雀)がやってくる。知ってるか?この世界には地上というものがあり、そこは光というものがあふれていて、僕たちのようなものは人間と呼ばれているらしい。この目で見たいんだ、光を。確かめたいんだ。
彼は翌朝、四肢をもがれた姿で見つかった。
次々に仲間がやってくる。台詞はどんどん高速になっていく。彼らはすべて四肢をもがれた姿で見つかった。
ついに誰も来なくなった。私はここでいい。
地上に出たいのでは?男(水無月雨天)がやってくる。何故上を見る?地上に光があると知っているからだろう。彼らの四肢をもいだのは貴方だろう?
この先へ行ってごらんなさい。地上へ行けるはずだ。あまりの光の眩しさで気を失った。走馬灯が浮かぶ。四肢をもいで、四肢を喰らう私。
病院で目覚めた男。医者(ベニー・J)が側に立っていた。
あなたの余命は、あと1週間。
土ばっか喰ってるからだよ!土と人間の肉を喰らっていた男。足立区だからいいじゃないですか!良くないよ!捕らえられる男。
こうなったら…!しょんべん撒き散らしてるぞ!?ミーンミンミン…。あと1週間の命、楽しませてもらうで!
それから1週間、四肢をもがれた人間が見つかるという連続殺人事件が起きる。8日後、四肢をもがれた初老の男の体内から、大量のセミが見つかった。

「浜辺男子達~暮羽喜ネマ館篇~」演・水無月雨天・白雀・夢見太郎・ベニー・J
浜辺ではしゃぐ、反町(ベニー・J)と竹野内(水無月雨天)と広末(白雀)と伝説のサーファーマイク真木(夢見太郎)。
あれ、あいつ反町じゃなくない?そうです、アタシが足立区のセミ喰い男です。
夏も終わりかー!

エンディング。素に戻ったアチャさんに、いつキャラから降りていいと言った!?と長谷川さんが怒る。
コント中にスピードワゴン小沢さんの真似をしていた長谷川さん。あれ俺しか気付いてなかったよ!と桑原さん。《憂》のとき、徐々に小沢さんが出てきた。藤岡弘、のモノマネをクイズにする。せがた三四郎。
感情のとき、ロボットと言われたのにロートに聞こえてロート製薬の歌を歌ったアチャさん。
蟲はアチャさんがコンビニバイト中に見た蛾の死に際からヒントを得て作ったコント。
桑原さんはCRリングから、貞子の母のモデルとなった御船千鶴子を元に書いた。未来から来た記者が、これから戦争が起こることを知っていて呟いたというラストの台詞。でも現代に戻っても戦争があるんですよ。
モネさんが書いた臨床、長谷川さんは台本通りにやってくれない!と苦笑い。壊すねー!僕の台本だけなんか毛色が違うんですよねぇ。
長谷川さんはポプラ。変態をやりたかった。モネくんと2人でやりたかったんだよ。アドリブで長谷川さんと桑原さんが魂のルフランを歌い回るシーンが追加された。長谷川さんのムチャぶりに瞬時に対応する桑原さん。コンビだから出来るんだよ、お前らも出来るよ。いや、出来ねーなー!と顔を見合わせるジャパネーズ。

エンディング後。拡声器でオリジナルラブ「接吻」を熱唱する桑原さん。客席で見る3人。歓声にも手拍子にも負けず淡々と歌い続ける桑原さん。アチャさんの攻撃にもまったく動じない。わかった、あいつライブ終わったから素なんだ。芸人じゃないわ。
歌い終え、満足した!と帰っていく桑原さん。3人も去っていく。

回を重ねるごとに意味がわからなくなっていく暮羽。今回も全体的にヤバい。変態要素が多すぎるよ。
長谷川さんの楽しそうな笑顔が印象的。楽しんでるよねぇ。特にポプラね。やりたかっただけあるよね。自由すぎる長谷川さんに手を焼くモネさんが見もの。頑張って…!
7本中3本が女装のモネさん。ラストが女装だったのでスカートを履いたままエンディング。もはや違和感ゼロ。性別を超越してるよね。白塗りだと人間ぽさも見失う。人形っぽいんだよなぁ。どうしても見た目と演技力で女性役が多くなるよねー。蟬男の無機質なセミたちが好きだった。超高速の台詞は凄まじい。
アチャさんの書いた台本がヤバい。父娘て。正しくアングラやってるのはアチャさんなのかも。それでいえば長谷川さんもか?少年性愛。暮羽を見るとアングラの定義がわからなくなる。
次回は来年予定とのことで、詳細は決まっていないらしい。意味がわからないまま笑う、という貴重なライブなので、まだまだ続いて欲しい。

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