史依弘プレミアム公演

@オーチャードホール 17:00 1階1列12番

昨日とは別の演目が見られるので今日も観劇。

昨日は19時公演だったので9割くらい埋まっていたけど、今日はお盆時期とはいえ17時だから7割くらいだろうか。それでも2階席まで埋まってるの凄いな。

『百花贈剣』
京劇。男子禁制の公主の寝室。男子が入ればたとえ子供でもさらし首。そんな場所へ、侍従に妬まれたせいで酔い潰された青年が放り込まれてしまう。青年を見つけた侍女は青年の妹。どうにか逃がそうとするも公主が帰ってきてしまう。ところが公主は斬首どころか一目惚れしてしまう。
昨日見た宦官の青年が演じている。白いシンプルな衣装で柔らかな雰囲気と声で好青年っぷりが良いね。慌てふためく青年と侍女のやりとりがなんだかコメディ。京劇ってコメディなのか!?右往左往する2人が可愛いんだよ。公主も最初は剣に手を掛けたりもするけど、盗人には見えないとか早々に言ってるし序盤から一目惚れっぽい。可愛い。
この演目は公主と侍女の頭飾りから長い触角みたいな翎子(リンズ)が2本生えていて、それを操って感情表現をしている。ずっとゆらゆらしてて綺麗だし、指し示す代わりにしてたりひとまとめにしたり色んな表現パターンがあるようだ。梅の木のある庭で、青年と公主が踊ったり語ったりしてるときの様々な表現が綺麗だったなぁ。
侍女が青年の妹だと知らず、青年の代わりにお礼を言う侍女を見て剣に手を掛けて青年を睨むとか、わりと少女漫画っぽくて展開がわかりやすい。侍女がとてもおちゃめで、兄とのやり取りも微笑ましい。なんだかほっこりする演目だった。昨日もお嬢様の侍女をやっていた彼女、とても可愛らしくて良いなぁ。

『貞娥刺虎』
崑曲。国を滅ぼされた公主の侍女が公主に成り代わり仇の弟である将軍に嫁ぎ仇討ちを果たす。国への忠義のためなら男女関係ない!と勇ましい侍女。
公主を装うために笑顔でお酌したり、顔を隠して怒りをにじませたり、決意を語るシーンは手が震え、暗殺シーンでは緊張感に溢れる。1本目とは打って変わってひたすらシリアスで重く緊張感あるストーリー。
婚礼の儀のための礼服なので、将軍のふっさふさの髭と龍が刺繍されたゴージャスな上掛けに玉帯、公主を装う侍女も同様。暗殺シーンは絢爛豪華な頭飾りを取り、比較的シンプルな頭飾りに付け替え、黒と青と白の装飾のない袴のような衣装に変わる。赤や黄色や派手な色で着飾っていた人物が闇に乗じるような衣装になることで、暗殺の緊張感が増す。袖と裾が繋がって白い布が大きく広がるので、立ち回りのときに翻ってとても綺麗。
幼い頃から公主に仕えてきた侍女が、忠義のために短刀で人を刺し、怒りと恐怖に震える様が凄まじい。最後に剣で自害する瞬間、曲調がガラリと変わり薄暗い照明の中でピンスポに照らされる。やり遂げた安堵と自害の覚悟の表情、ゾワッと鳥肌が立った。凄まじい演目だった。

2日間で4本、それぞれパターンの違う公演を見られて大満足。ここで拍手だな!と察するようになった。初見の素人が見ても凄いと思う技があちこちあって素晴らしい。
生演奏のブースが意外と狭いな、という印象。奏者ぎゅうぎゅう詰めじゃない?楽器とかちゃんと見たかったけど、わりと濃いめの蚊帳が掛けられていてあまり見えず。残念。
女性が演じてるからもちろん女性主人公のストーリーだけだったので、中国といえばの西遊記とか見てみたい。6月に来てたの知らなかったというか興味を持たなかったのが悔やまれる。しかも招聘公演は6月ので最後だったとか…あああ…。
少しでも興味を持ったものはもう少し軽率に見に行こう。後悔先に立たず。

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