KAAT DANCE SERIES 2020「星の王子さま―サン=テグジュペリからの手紙―」

@KAAT神奈川芸術劇場 ホール 15:00 1階3列10番

森山開次さんのダンス公演。「サーカス」「NINJA」と見た私は3作目となる観賞。

3列とはいえここが最前列。舞台をくまなく観賞できる良い席を取れた。
ドラムや打楽器、アコーディオンなんかの生演奏が2人だけで行われる。そして女性の歌声。歌詞は無く、ただメロディを歌い上げる。
ダンス公演とはいえ、キャラクターによっては叫んだり呻いたり泣いたりと生の声を聞くことも出来たり。

大きな丸い星のセットに穴がひとつ。この穴から装飾が出てきたりダンサーたちが出入りしたり。これを2人がかりで人力で動かしているシーンも。案外力技。背後には透け素材の幕が垂らされ、上からは丸い星。途中オブジェのようなものが大量に吊るされているシーンもあった。
そしてヒラヒラと舞ったりフヨフヨと宙に浮くひびのこづえさんの衣装たち。全員が同じデザインの透けたタイツ、キャラクターたちはその上からそれぞれの衣装を身にまとう。この統一感が舞台のまとまりを演出していてとても良い。上から付け足される装飾でキャラクターがわかる。何も付けない場合は群衆と化す。
王子は主役だけあってほぼ出ずっぱり、飛行士もかなり出番が多く、踊りっぱなし走りっぱなし。大きな息遣いがこちらにまで聞こえてきた。バラのバレエダンサーが高飛車で美しくて素晴らしい。回転とともに浮き上がる棘が素敵。

「サーカス」の黒うさぎでドハマりして「NINJA」の蛙にキャッキャして見に行きまくった水島晃太郎さんが今回も出演しているので見に行くことにしたのです。
一幕ではほぼ群衆の中の1人。バオバブのときの芽はヒラヒラした手の動きがとても好きだった。ペシッとお尻を叩かれて不満そうな顔でお尻を擦りながら帰っていくシーン良かったなぁ。脚の間から顔を出すシーンは今回も。あの柔軟性は本当に凄い。どこまでも上がる脚とか可動域広すぎる肩とかも。
二幕でのうぬぼれ屋!ピンクの帽子とヒラヒラの衣装と鼻高々。帽子を取られてショボショボしたり、オーレィ!ヒュー!と甲高い声で雄叫びを上げながら踊る踊る。公演中唯一、観客の拍手を煽る男。カッコイイー!!!!!
このキャラを乗りこなしながらも群衆の中ではしなやかで柔らかな動きで蠢くんだからギャップが凄い。
今回は1回きりの観賞なので、他の出演者そっちのけで凝視し続けてしまった。眼福です。

こんな状況下で1席空けつつ、マスクをしたままの観賞はなかなかツライものがあったけど、公演に踏み切っていただけるだけでありがたい。パンフレットも購入してご満悦。

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