零点振動 vol.20

@Double Tall – Art & Espresso Bar 19:00

久しぶりの零点振動、しばらく行けなかったので2年ぶり!

いつもと違う会場で、ステージになる場所が極端に狭い。3人が横に並んだらギュウギュウ。客席の間のスペースも活用。

ラジオの音、ノイズ、電球を置きアルミホイルを巻きつける市松さん。缶切りで開けた蓋がなんだかレトロなパイン缶に、マイクを取り付けて鳴らしたりミキサーを操っていた一平さん。客席の真ん中で床に手を這わせていく界さん。

客席から隙間が見える階段を登り、壁や手すりを伝ってスパイダーマンのような動きをする界さん。壁を照らすスポットライトの光を手に取り背後の影へと投げるような仕草。ジャケットを脱ぎ丸めて階段に置いたら、自分のシャツを脱いでハンガーに掛けた一平さんが界さんのジャケットもハンガーに掛けてくれていた。階上から小さなスーツケースを持ってきて椅子代わり。

金属のバケツにボールやビー玉やタンバリンや瓶を入れる一平さん、客席の真ん中に置いてみる。界さんがやってきて瓶を取り出し、その上で逆立ち。ぐぐっと腕を曲げて瓶をくわえ、立ち上がってからも瓶をくわえたまま踊っていた。界さんから戻ってきた瓶にボールを載せたりと遊ぶ一平さん。市松さんが電球を持ってきて瓶の横に置き、アルミホイルで装飾。ボールやビー玉を瓶の上に載せては転がりまくる。

市松さんが炭酸水の入ったペットボトルをシャカシャカ振れば、一平さんもカップにボールを入れてシャカシャカ。吹き出すかと思われたペットボトルは、プシュッと音を立てて開けられた。

界さんが流木の置物を手に取り揺らせば、一平さんは発泡スチロールの箱に水を入れて裸足で中に入ってタップ。水音のタップのスピードに合わせ、界さんが流木を揺らすスピードも変わる。客席でオブジェと化していた電球と瓶とボールたちに巻かれたアルミホイル、端っこを流木に巻いていく界さん。引きずられた小物たちがバラバラと客席へ散らばっていく。

伸びたり踊ったりの界さん。階段を手で叩きタップのようなリズムを刻む一平さん。徐々に階段の隙間に挟まっていく。市松さんが階上へと消え、どうやら見えないところで何かを引きずって音を鳴らしている。階段の手すりにぶら下がっていた界さんがいつの間にか市松さんのパソコンの前に座っている。

シャツを着た一平さん、階段の上で手を伸ばし踊る界さんの背後からジャケットを被せる。影に向かって手を伸ばしていた界さん。2人を懐中電灯で照らす市松さん。ジャケットを着た界さんと一平さんが向き合い、お互いの顔の前に手を伸ばす。顔を覆うように手を伸ばし合って階段から舞台へ、そして客席から外へとゆっくり移動していく。市松さんはふいっと階上へと消えた。

舞台へと戻ってきた2人、界さんは自らの手で目元を覆ってまだ踊り続けている。一平さんはマスクを着けて見守っている。戻ってきた市松さんは階段で体育座りをして見守っている。ハッと気付いた界さん、2人を振り返って固まる。

アフタートークはオンラインで。飲み物提供は終演後。本番中マスクを外していた2人は一言も喋らず。この時期だからこその変則的な開催だった。久しぶりの零点振動、一平さんの足元に置かれていたタップシューズと木の板に一度も触れてなかったり、なんの前触れもなく始まったり、一平さんの水音タップとか、市松さんのアルミホイル装飾とか、界さんの縦横無尽な感じとか、相変わらず自由な感じでとても良かった。狭い代わりに階段を使った高さのある表現が新境地で素晴らしい。どんな場所でも零点振動だね!

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