第58回福岡市民芸術祭オープニングイベント「線香花火」

@福岡市民会館大ホール 15:00 1階2列35番

今回は真正面ど真ん中!超良席です。この日のために日帰り福岡。

新体操のボールを転がしたり投げたりで遊ぶ茉莉花さん。ハチロウさんがボールを投げながらやってくると、茉莉花さんが新体操のボールを投げ渡してジャグリング。椅子を運んできた高取さん。同じ椅子を持った界さんが、歩きながらハチロウさんの投げるボールを取って後ろ手に投げる。それをキャッチして再びジャグリング。一平さんはタップシューズで床を叩いてリズムを刻み、高取さんと界さんは小競り合い。2人で椅子倒立を決めてみたり。みんなが集まってきて一緒に写真を撮ったりしていると、メガネの望月さんが怒りながらやってくる。
オープニングの演出も、前回見たときと少し変わっている。よりメンバーの絡みが増えているような。ボールの一連の流れがとても良かった。

宮窪さんの炎のトーチと刀。腕や口にも炎を移す。これを見るために来たと言っても過言ではない…とにかく美しい。炎刀は大きな炎を上げていた前回とは違い、ゆっくりと振り穏やかな舞だった。

椅子取りゲームをするメンバーたち、高取さん用の長い棒が用意された。ぐるぐる回って罰ゲーム…と思いきや、高速で振り回してカッコイイ!高取さんは椅子だけじゃなく棒術もカッコイイんだ。他の技も見られるのは嬉しい。
宝箱の演出は前回無かったような?マジックの要領で棒が飛び出し、平井さんがバトンに見立てて回す。高取さんの棒の回転から繋がる流れが素晴らしい。

優等生な望月さんとダメダメな界さんの対比。ここで界さんの体操演技が見られるのは貴重。シルホイール、宝箱、苦悩、そこへ一平さんのタップが界さんの動きに合わせてリズムを刻む。前回は効果音ぽくてもったいないと思っていたけど、今回は照明も合わさって一平さんのタップがショーになっていた気がする。
望月さんのディアボロへの流れ。声を上げながらディアボロを回す望月さん、一平さんのタップの激しさも増す。照明が次々に2人を照らして、グイグイ引き込まれた。カッコ良かった…!

大きな階段をスクリーンにして映像を映し出す技法は素晴らしい。冒頭の線香花火も中盤の雑踏も、ありきたりなスクリーンではなく階段に投影。
茉莉花さんのコントーションはとても優雅。凄いことやってるけど、驚きよりも美しさが勝る。なんかこう、ふわぁーーーっとなってしまうな。

薄幕の前でボールを掲げる界さんの動き、薄幕の向こう側で高い台上で同じ動きをする高取さん、オープニングで小競り合いしていた2人と同一人物とは思えぬ美しさ。またたくスポットライトとミラーボールが幻想的。どんどん積み上がっていく椅子の上で微動だにせず倒立を決める高取さんの凄さよ。

白尽くめの界さんと黒尽くめのハチロウさんのぼーる。ハチロウさんがボールを投げている時間が増えている気がする。逆に界さんの逆立ちの時間は減ったかな?白い布で囲まれた舞台、白尽くめのメンバーがたくさんのボールを拾い集めて積み上げていく。賽の河原のよう。
界さんの肩を叩くハチロウさんの優しい表情がとても良い。

中島さんによる藤間さんの白い着物へのリアルペイントからの舞、そして紙吹雪、最後の「幸」がもう美しくて。終わってしまう寂しさともっとこの世界に浸りたい余韻と。

今回はご時世的にもお見送りが無く、感動を直接伝えられないのはもどかしいけど仕方ない。たくさん拍手してきた。カーテンコールで2回は真面目に出てきたけど3回目で側宙しながら笑顔で出てきた界さんが印象的。
生のハチロウさんは久しぶりに見たのでは?パッツンの可愛らしい髪型でより人間離れした雰囲気になっていた。顔も手も綺麗で不思議な雰囲気なんだよね。歩き回りながら次々に技を決めていく手腕は本当に凄い。
一平さんが目立つようになっていて嬉しい。演出が少し変わったからかな。足元が動いてないようにしか見えない細かい技もあって凄すぎる。
宮窪さんの炎がまた見られて良かった。他の場所で見られないので、見に来るしかないんですよ。口に炎が灯っている光景はこの世のものとは思えぬ美しさ。見に来て良かった、と冒頭から思えるほどの技。
ずっと演奏し続けている生演奏あってこその演目。椅子倒立の風の通り道は意外な組み合わせだけど、だからこそ記憶に残る。
毎年恒例にしてくれないだろうか。福岡は遠いけど、これのために行く価値はある。

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